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2002年9月前半
このところ飲んで帰って、日記をさぼっていたが、やはり溜めてしまうと書くのが面倒になってしまう。それと、平日はどうも日常の繰り返し的な毎日で、ちょっと時間を置くと何をしていたのか判らなくなったりする。ここ数日適当なのは深い意味はなくて、そういうわけ。しかし、あとから思えば、あんなことがあったとか思いだしたりもするので、思い出したこともちょっと書いておく。
金曜日の朝、『ロッカーのハナコさん』の録画を忘れずに予約する。しかし、土曜日チェックすると、まだタイマーがオンのままだった。日にちの設定を間違っていて録れていなかったのだ。ショック、アンド、自己嫌悪。
土曜日には『マトリックス』をDVDで観直す。最初のネオが兎の入れ墨の女を追って、トリニティに会うのは、「不思議の国のアリス」の引用だったことに気づく。今まで気づいてなかったのか、気づいても忘れていたのか、ああそうだったのかと思ったり。なんでこんな基本的なことに今頃気づくのか。
日曜日、『人狼城の恐怖 第一部ドイツ編』(二階堂黎人 講談社文庫)を読む。今日中には読み終わる気配なので、本屋に行き、『第3部探偵編』『第四部完結編』を購入する。第二部は購入済みなので慌てる必要はないのだが、買っておけば安心なので。
本屋では、他にローリー・キングの「シャーロック・ホームズの愛弟子」シリーズ、『女たちの闇』『マリアの手紙』『バスカヴィルの謎』(集英社文庫)をまとめて購入する。このシリーズ、でかい本屋でも意外と置いてない。たまたま揃ってるのを見つけたので機会を逃さじというわけ。
それから、WAVEにて、『コンタクト』と『アサシン』のDVDを購入。実は両方とも観てなくて、『コンタクト』は信頼する筋からいいという評判を聞き前から気になっていたから。『アサシン』は、いわずもがなの『ニキータ』のアメリカでの焼き直しなのだが、監督は職人ジョン・バダムだし、すっかりこんな映画があったことは忘れていたのでこれは消えていく映画だという気がしたら買っておきたくなってしまった。そういうこといって買ってたらキリがないのだが。
それから、携帯(というかPHSなのだが、DDIポケットにいわせれば、PHSでなくて「ハイブリッド携帯端末」、あるいはH"という)の機種変更をする。故障はしていないのだが、ボタンのメッキが剥げてあちこちひびが入っていてみすぼらしくなっていたので。今度のは二つ折りの機種。カラーである必要性を感じないので、モノクロタイプにしたら、溜まっていたさくらやのポイントだけで交換できてしまった。でも、カラーである必要なんてなにもなくても、カラーの方がなんとなく嬉しいよなぁ。モノクロの画面を見ているとちょっと寂しい。
というわけで、なんとなく、物欲発散の一日って感じだった。
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また暑い日が続くが、ほんとうは夏は暑いくらいが好き。冷房の効きすぎた部屋にいると調子が悪くなる。
昨日で、『人狼城の恐怖 第一部ドイツ編』を読了。今日は『人狼城の恐怖 第二部フランス編』を読み始める。
何も買わなかったが、さくらややHMVなどをぶらぶらする。昨日、『人狼城の恐怖』等、まとめ買いしたので安心したのか、珍しく本屋には行かない。
二、三日前に届いたメールで、DMだと思って読んでなかったものがプレゼント応募受付のメールだった。だいぶ前にワーナーミュージックのCDを買って、応募シール3枚でCD1枚もれなくプレゼントとかいうキャンペーンに応募したのだが、その受け付けメールだった。シール3枚でプレゼントなのだが、当たりならシール1枚で1枚のCDが貰える。CDを4枚買ったら、1枚が当たりで、結局CDを2枚貰えることになっている。忘れていたのでちょっと得した気分。こういうこともあるので、手元にあったDVDのアンケートにも答えておくことにする。抽選だけど、当たれば商品券などが貰えるようなので。
ケン・ローチの映画が土曜から公開してた。『ブレッド&ローズ』。東京だと、シネ・ラ・セットだけみたい。
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人狼城はドイツとフランスの国境となる峡谷を挟んで、ドイツ側に《銀の狼城》、フランス側に《青の狼城》という双子のような二つの城からなるという設定で、第一部ドイツ編はこのドイツ側にある《銀の狼城》で起こる惨劇が描かれる。登場人物を紹介しながら城に辿り着くまでに三分の一を費やし、半分近くになってようやく惨劇が起こるのだが、それから城に閉じこめられるような奇々怪々な事態や新たな殺人が起こり、最後には人狼伝説に相応しい出来事を加えて終わる。ひたすら事件だけが起こって、犯人も何も判らず650ページもの小説が幕を閉じる。
推理小説として読んでいたら、なんとも落ち着かないような気がするのだが、意外にそういう中途半端な感じはない。探偵役もいなければ、中途半端な謎解きもないので、単純にゴシックホラーとして読めるということかもしれない。ただ、普通のホラーと違うのは、ホラーのパターンとしては、悪の存在が結末において何らかの善なる存在によって破壊され平和が訪れる。そして、エピローグで破壊されたと思われた悪の存在が実はまだ完全には消滅していなかったという、ほとんど蛇足のようなこけおどしがあって終わるというのが常道である。しかし、そういう意味では、その最後の善の勝利というカタルシスがない。
この点、ホラーとして物足りないというか、終わった感じがしない。もちろん、それは物語が終わっていなくて、まだ途中なのだという余韻でしかない。とにかく、この悪の存在を倒すべく物語が展開しなくては物語は終わらないと感じるのである。そして、実際、「第三部探偵編」、「第四部完結編」と続き、推理小説としての解決が待っているはずだと知っているので、只ひたすら続きを読みたいと思う次第。
[ 『人狼城の恐怖 第一部ドイツ編』 二階堂黎人 ]
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とある友人と、もの凄く久しぶりに会う。この間、遠方から来られた方からあずかりものをしていたので、その引き渡しが目的である。いつも、夜、飲みの誘いの電話をすると必ず空港だったり、広島だったり、九州だったりして、会えなかったのだが、今日はなんとか捕まえる。それでも、本当は別の用件もあったようなのだが。
実はブツを預かったときに、ブツを持ってきた方に「近くてもなかなか会えないんですよ」と話したら、もし会えなかったら、僕にくれるという話だった。そういわれても、引き渡し料として別のものも頂いてしまったし、なんとか引き渡せてよかった。
新宿南口で待ち合わせ、西口の蕎麦屋系の居酒屋に行く。ビールと焼酎で飲んで、締めに蕎麦を食べる。蕎麦屋というより居酒屋という感じの店なのだが、蕎麦はそこそこうまい。9時くらいに一旦店を出るが、調子に乗って、新宿に勤めているはずの別の人を呼び出そうと、携帯に電話してみる。しかし電話してみると、何が間違っていたのか新宿ではなくて全然別のところで仕事をしていた。「電話するなら、もう1時間前に電話してください」と怒られる。仕方なく、二人で今度は喫茶店で酔いを醒ましながら話をするが、結局閉店の10時半過ぎまで話し込む。
写真は、ぶつ引き渡し料として、いただいた「東北限定 ベビースター 会津の醤油と三陸のコンブを使った 特製金箔入りこしょうで食べる! 喜多方ラーメン (蔵王の命水使用)」。中には、金箔入りこしょうの小袋がついていて、これをベビースターの袋の中に入れて軽く振ってかき混ぜて食べる。結構こしょうがピリッとしていて辛口。普通のベビースターラーメンももう何年も食べてないので、実際のところ、味がどう違うのかよくわからないんだけどね。
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今日は第一水曜日で、都内は映画サービスデー。『バイオハザード』を観に行く。ミラ・ジョヴォヴィッチ主演のポスターが格好いいので気になっていた作品。でもゲームの映画化ということで、あんまり期待せずに観に行ったが、予想は大外れ、本気で怖い、面白い映画だった。
家に帰ると、ワーナーミュージックからCDが届いていた。貰ったCDは、『RH Singles & ●●●』(広末涼子)、『マイティ・ライク・ア・ローズ』(エルヴィス・コステロ)の二枚。BGMに『RH Singles & ●●●』を早速聴いてみる。広末涼子って、まともに聴いたことなかったのだが、さすがに「majiでKoiする5秒前」とか「大スキ!」なんかは聴いたことがあった。聴いてみて、結構声とか好きだと思う。『二十世紀ノスタルジア』とか思い出して、また観てみたくなる。奇行ばかりが話題の広末だが、映画の中でもちょっと変らしい『WASABI』も、やたら評判が悪いけど観てみたい。
『人狼城の恐怖 第二部フランス編』(二階堂黎人 講談社文庫)を読んでいるが、例によって半分過ぎても殺人事件が起こらない。頭の方で、変死体が見つかって云々という話はあるのだが、状況説明という感じがするのでそれを勘定しないでのことだが。しかし、幽体離脱とかオカルトチックな話がどんどんでてきて、これでミステリとして収束するのか心配になってくる。これをあくまで理屈で説明しちゃうんじゃないかと思って、それを期待しているのだが、期待しすぎだろうか。
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ゲームの映画化ということで、あまり期待はしていなかった。しかし予想外にハードで怖い映画になっていた。ストーリーがゲーム版『バイオハザード』にどれくらい忠実なのかわからないが、ゲームのサイトを見に行ってみたりしたところ、設定は引き継いでいるようだが、登場人物の設定は異なる。映画のラストシーンというかエピローグ部分がある種強引な展開をするなぁと思ったのだが、どうやらゲームの2作目の始まりにあわせているようだ。しかし、バイオハザードのサイトでポール・アンダーソン監督のインタビューを読むと、続編は「バイオハザード3」の設定で進めていると語っているのだが、となると2と3を混ぜたような展開になるのだろうか。
ゲームをやっている人は、結構バイオハザードの世界観を持っているはずなので、映画化にあたってキャラも違うし、ゲームと違ってモンスターもそんなにたくさん出てこないとだけ書いておこう。ゲームのモンスターのキャラを見ると結構いろいろなモンスターがいるけれど、この映画ではほとんどの敵はゾンビである。それと謎の洋館という設定もでてくるが、洋館はゲームの設定にあわせるため出てくる程度で、研究所の中になる。
ストーリーで感心したのは主人公が記憶を失っていて、それを次第に回復していくという設定。最初に事件の発端となるシーンがあり、その後舞台は謎の洋館に移るのだが、そこでシャワーを浴びている途中で意識を失っていた主人公アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が目を覚ます。自分が何者なのか、何をしていたのかも判らないまま、突然現れた特殊部隊チームとともに研究所の中へと連れて行かれる。その途中で、何が起こったのかを説明されるのだ。ゲームをやっていなくても(もちろんゲームとは違う設定が多いだろうが)、その背景がだんだんに判ってくるという仕掛けだ。ミラ・ジョヴォヴィッチのアリスも、危機的状況で反射的に体が動いて、特殊部隊としての能力を発揮するというのも自然である。
内容はゲームの映画化だけあって、ひたすらゾンビと戦って生きて生還できるかというだけの話だが、『エイリアン』を思い出すようなかなりよくできたSFホラーになっている。戦うということから、アクション映画を思い浮かべていたのだが、むしろホラー映画なのである。ワイヤーアクションなどもでてくるが、ミラ・ジョヴォヴィッチの活躍をアクションシーンのシーンの連続で見せるというのではない。あくまで戦いの一シーンでしかなくて、むしろひたすら逃げるという感じだ。多勢に無勢、ゾンビの集団などもとてもまともに戦えないのだから、ひたすら逃げるしかない。
残酷なシーンも多いが、あからさまにスプラッターシーンを見せるより、いつ襲ってくるかわからないような恐怖を盛り上げている。音の使い方がよくて、嫌な感じに恐怖を煽る。というわけで、結構気に入ってしまった。
[ 『バイオハザード』(監督ポール・アンダーソン 新宿ジョイシネマ1 2002/9/4) ]
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昼間から眠い。考え事をしているうちに眠っていたりした。最近というか、もうしばらくずっと寝不足気味ではあるが、昨日の夜は特に寝たりないというわけではなかったのに。
夜、テアトル新宿のレイトショウで、『夢なら醒めて……』を観る。ピンク四天王といわれるサトウトシキ監督の一般映画作品。何の前情報もなしで観に行く。あとから調べると、原作があって、竹内義和の『パーフェクトブルー 夢なら醒めて…』だった。『パーフェクト・ブルー』ってどこかで名前を聞いたと思ったら、まもなく公開予定の『千年女優』の今敏監督のアニメーションだった。リンクを辿っていくと、いろんなところに繋がっていくので面白かった。映画の方は、挿入歌が印象的だったけど、いまひとつな感じ。主演女優の前田綾花が前半パッとしないのに、後半になってだんだん魅力的に見えてきたのが不思議。
家に帰って、一日遅れの日記を書いているうちにいつの間にか居眠りしていた。気がついたら5時だった。
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新人アイドルとを目指すアイは、自殺した親友の作った曲「夢なら醒めて……」で歌手デビューもしようとしていた。そのマネージャーは、彼女をメジャーアイドルとして売り出そうとして躍起になっている。奥さんはそんな彼に醒めた視線を送っているが、それにも彼は気づかない。一方、コンビニでバイトをする青年利彦は、アイのデビュー前からのファンであるが、何故彼がデビュー前からアイを知っているのかは秘密らしい。そんなある日、アイが利彦のバイトするコンビニにやってくる。彼はアイの全てを知っていて、そんなストーカーかもしれない一ファンにもアイは親近感を感じてしまう。
こんな感じで物語が始まるので、アイドルの少女アイとストーカー青年の物語かと思っていたら、かなり予想外の展開をする。利彦がシャワーを浴びるシーンが最初の方でから何度かあるのだが、そこで体毛が抜けて流れているシーンがあったり、コンビニの店長にホモっぽくねちねちと言われるシーンが伏線としてあるのだが、あまりに唐突で予想していなかった。逆にその部分を越えてしまうと、あとは予定調和的に話が収束していく。予定調和的にというか、後半の展開を臭わせるような台詞があるために意外性がなくなっている気がする。
話としては面白いのだが、いろいろ引っかかるのは、例えばコンビニでアイと利彦が初めて会うシーンで、二人の会話は、自分の熱烈なファンに出会ったとまどうアイと大ファンのアイドルを目の前にして緊張する利彦のちぐはぐな会話なのだが、ちぐはぐさがうまくいっていない。アイのとまどいも、戸惑いながらも好意を感じているはずなのだが、困っているようにも見えて、果たしてどっちだったのだろうと思ったりした。全般的にそういう台詞の棒読みのような会話をする演出なのだが、あんまりうまくいっていない気がする。
タイトルにもなっている「夢から醒めて……」という歌が、アイの親友の作った歌として、映画の中で流れ、またアイ自身が歌う。後半になって、アイのレコーディングシーンがあって、何度も歌うシーンがあってここは自然なのだが、前半であまり間をあけずにフルコーラスで2回も流れるのは長すぎる感じがした。歌自体は印象的で、わりと気に入ったのだけれど、それと映画で長々流すのはまた別の話だ。
不満がたくさんあるのだけれど、結構いろんな点で気になる映画だった。特にアイ役の前田綾花が、冒頭のコンビニのシーンではがっかりさせられたのに、映画の最後には妙に印象的になっていたのが不思議である。
[ 『夢なら醒めて……』(監督サトウトシキ テアトル新宿 レイトショウ 2002/9/5) ]
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『快盗ブラックタイガー』を観ようと思っていたのに、いつのまにか普通の上映は終わって、わずかにモーニングショウの上映しかやっていないことに気づいた。しかも今日が最終日だったので何を置いても今日、観に行こうと思っていたのだが、目が覚めたら10時だった。情けない。なので寝直す。もっと情けない。
というわけで、DVDで『コンタクト』を観る。なるほど面白かった。敵対する教授が憎らしい。ハデスっていう金持ちがなんか笑える。ジョディ・フォスター扮するアロウェイ博士が資金確保の演説のあと、思わず怒りを爆発させてしまうシーンが感動的だった。あとは思ったより抑えた演出で、というのはだって監督がゼメキスだし、宇宙人の送ってきた設計図で宇宙に飛び出していくっていう話だからもっと派手派手になるかと思ったけど、そうではなくて結構渋い映画だった。電波を解析してその謎が解けていくまでの過程がなかなかスリリングだったし。
だけど、そんなことで本当に宇宙船が作れるのか、設計図だけあったってそれを作る技術が追いつくとは思えないし、いくらそれが人類にとって偉大なことだからといって、そんな宇宙船に乗ろうという気持ちになれるだろうかという疑問がある。その辺の疑問を感じさせずに最後まで引っ張ってくれたらいいのだけれど、やっぱりそこまでは無理だったか。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいに荒唐無稽な話なら逆にお話として受け入れてしまえるのに対して、妙に科学的に裏打ちされているので、そういう齟齬が引っかかったりする。まあ、あまり醒めた目で見ないで、観るべきなんだろうけど。
それから『アサシン』を観る。思っていたほど面白くなかった。ブリジット・フォンダもガブリエル・バーンもなんだかパッとしない。ただ、掃除屋ハーベイ・カイテルを楽しみにしてたのだけど、やはりハーベイ・カイテルはいい。うむを言わさず、どんどん掃除していく。これって、『パルプ・フィクション』の役と同じ?
そのせいか、ハーベイ・カイテルが出てきてからの展開は結構いい。掃除屋の前で自分を奮い立たせて、笑って見せたり、情婦に化けて乗り込むシーンとかもなかなかいい。仕事が終わるのを待っている間の掃除屋に「車を動かせ」と無謀にも命令してしまう男に対して無言で対応する掃除屋とか。でも、最後がまた甘ったるい結末でなんかね。
さらに、夜はテレビで『クリムゾン・タイド』を観る。なんていうか、艦長と副艦長で意見が分かれて対立した時点で、なんかもうどちらが正しいのか、結末はギリギリで間に合うんだろうなという展開が予想されてしまうので、なんか今ひとつ盛り上がらない。潜水艦が沈みそうになる危機とか、いろいろあるんだけど、これもサブエピソードみたいになってしまって本編とうまくマッチしていないというか。やっぱり地上波のこの手の映画番組じゃ時間枠が短いのでカットされているせいもあるかもしれない。手軽なので、最近またテレビで映画を観たりするけど、やっぱりダメかな。
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『おぞけ』(祥伝社文庫)という、ホラーアンソロジーから、「歯」(篠田節子)、「夜行」(加門七海)、「高速落下」(雨宮町子)の三編を読む。友人に借りた本で、「高速落下」というのが非常に怖いと薦められて読んだのだが、どうもひまひとつ怖さが判らなかった。というか、怖さをつのらせるはずの細かいエピソードの積み重ねが結末に向かって収束するのではなく肩すかしにあったような気がしたからだ。とか書いても読んでない人には判らない説明になってしまうが。「歯」はまとまりすぎている気がするし、「夜行」は散漫すぎる気がして、結局文章で本当に怖がらせるホラーというのは難しい。あと6編収められているが、とりあえずお薦め作品は読んだので返すことにする。なかなか会う機会がないので、今日返さないとまたいつ返せるかわからない。
話は前後するが、今日はこの本を借りた友人と『稲川淳二の怪談ナイト』を戸田市文化会館に観に行ったのだ。会場で待ちあわせして、怪宴の10分前くらいを目指して行ったのだが何故か道に迷って5分くらい遅れてしまう。地図を見てほぼ一本道なので迷いようもないと思っていたし、駅の地図で場所を確認し、途中で見つからない気配なのでもう一度駅まで戻って確認したのに迷ってしまった。これも何らかの怪奇現象なのだろうか。たしかにチケットには、「ミステリーナイト当日何らかの怪奇現象が引き起こした不慮の事故に関して主催者は一切の責任負いませんので予めご了承下さい。」と書いてあるので文句は言えない。
舞台の背景は稲川旅館のセットになっていて、その旅館の前の縁台で浴衣姿の稲川淳二が語るという趣向である。話は特に怖がらせるように怖がらせるように話すと言うよりも、普通に話しかけるように話す。怪奇現象、幽霊らしきものの登場についても、「不思議なこともあるもんですね」といって、そこまでで恐怖を押しつけようとはしない。ただ、そういう不思議な話、怪奇現象、怖い話を続けて、流れるように話す。なかなか語り口はよくて、特に怖いというわけではないのだが楽しめた。
途中ひとつは笑わせる話があって、話の落ちでは会場は大爆笑。それまでの怪談話から一転するので、笑いも大きい。そして、最後はわりと正統的な怪談話で落とす。話の落ちで照明と音響でジャーンと脅しをかけて、それまで淡々と語られる話を聞いていたので、ビクッとして拍手で終わる。なかなかうまい演出だ。
話のあとは、心霊写真のコーナーとかで、心霊写真を見せながら解説していく。ここでも、最初は笑わせ、だんだん怖い写真に切り替えていく、しかし、そこでも一つ憶えて帰るとあとでも思い出して怖がることができて何度も楽しめる、などと言って笑いをとっていた。
というわけで、友人に誘われて観に行った『稲川淳二 怪談ナイト』であったが、なかなか面白かった。
そのあとは、地元のバーで食事代わりに軽く飲んで、近況の報告など。さきほどのホラー小説の話とか、ミステリや映画の話などして、10時過ぎに別れる。
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残りわずかだった『人狼城の恐怖 第二部フランス編』(二階堂黎人 講談社文庫)を読み、ついにこの膨大な長編の連続殺人事件(というか、ほとんど殺戮といった方がいいのだが)の部分を読み終える。「第一部ドイツ編」と較べると、ナチスの研究していた《星気体兵士》がいわゆるエクトプラズムとして体から抜け出して死体の中に入り込んで殺人を犯しているみたいな話まで出てきて、とてもミステリとして整合性の取れる話になるのかどうかと心配になる。だが、第三部で探偵が出てきて、第四部はひたすら解決し続けると聞いているので、そこで論理的な解釈をしなくちゃ嘘だ。そんなもん誰も読まない。というわけで、ミステリとして成り立たないんじゃないかと心配になればなるほど、あとへの期待が増す。
というわけで、続けて『人狼城の恐怖 第三部探偵編』に突入。久々に読書に集中する。最近は、時間があってもじっと座って本を読み続けるのが辛かったりするのだが、これは一気に読み進む。必ずしも座ってなくて、畳の上でうつ伏せになったり、仰向けになったりしながら延々と読み続け、途中眠くなるとそのまま眠る。って、これって読書のいちばん幸せな形態ではないか。
だんだん読んでいるうちにスピードも出てくる。最近、本を読む時間がないと思っていたが、本を読むスピード事態がものすごく遅くなっていたことに気づく。大体、最近は黙読してても頭の中で音読しているというか、自前の声優によって台詞を話し、地の文をナレーションするように読んでいる。スピードが出てきたら、文字がそのまま頭に入っていくようになって、そういや前はこういう風に読んでいたよなと思ったりした。もちろん、ラジオドラマのように再生して読むものもあるのだけれど、すべてがそうではなくて、むしろ作品や場面によって選んでそういう風な読み方をしていたはず。それでも、結構時間がかかって、夜になって読み終える。
「第三部探偵編」は、探偵が出てくるだけでどうして一冊になるのかと思っていたが、なるほど二つの連続殺人事件が本作品の主人公二階堂蘭子の元に伝わるまで、それから彼女と記録役の二階堂黎人がフランスへと行くまで、さらには問題の人狼城に辿り着くまでとなると確かに一冊のボリュームを必要とする。そして、その中でもいくつかの仮説が立てられ、不適切な仮説が消去されて、いよいよ事件の解決に至るまでの準備が整うのだった。ひたすら殺人の連続の第一部、第二部と較べて、少しずつでも謎が解明されようとしていく第三部は先へ先へと読みすすめたくなる吸引力が強い。
続けて、『人狼城の恐怖 第四部解決編』に入る。このまま一気に読み終えたいところだが、明日という日があるのでそうもいかない。だから大人って嫌だよ。
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12時頃に家に帰って、ため込んだ日記をまとめて書く。2時間間隔くらいで更新しているのだが、カウンタがほとんどあがらないので、ほとんど読んでいる人はいないのだろう。昼間とか、精々夜の12時くらいまでにアクセスしている人は、昨日から較べると、一気に3日後の日記になっているのだが、日付が現在に追いついたので何も気づかなかったりして。それだと淋しいので、ちょっと注意を促しておく。ええと、『稲川淳二の怪談ナイト』を観に行った話と、『人狼城の恐怖』を第三部まで読み進んだ話を書いたのである。これって、更新分を全部最新に載せとけば問題はないのだが。
昨日更新したのは、金曜日分で、だいぶずれ込んできてたのが気になっていた。いつもみたいに分けて書いているとまた一日更新が延びそうな気がしたので、映画三本分の話についてとりあえず観たということだけ書いた。それというのも、結局、なんで更新が滞ってしまうかというと、この書き方に問題があるんじゃないかと思い始めたからだ。あとで、読書ノートや映画ノートに移動しようと思って分けて書くのがよくないんじゃないか。分けて書くと、「面白かった」の一行じゃ格好がつかないので、それなりの長さを書こうと思って、考え出してしまう。そうなると自然と時間がかかってしまって、更新を翌日に延ばしてしまう。別に大したことを書いているわけじゃないのだが、ちょっとした負担が面倒になってしまうのだ。
日記なんだから、思いつくまま書いて、他のコンテンツへの再利用とかせこいことを考えるべきではないのかもしれない。そんな風に思って、金曜分から項目を分けずに書いてみたのだけど、そう思う反面、あとで感想を書こうと思っていて、結局書かずに過ぎてしまうということもある。とにかくその日のうちに書いておこうというのもあって、今の形式にしたはずなんだけどなぁ。
読書はもちろん『人狼城の恐怖 第四部解決編』(二階堂黎人 講談社文庫)だが、今日は読み終わらず、400ページ程度で中断。最近、読書とか進まないと日記に書いていたら、さる友人に「それは飲んでばかりいるからですよ」と言われたが、どうやらそのようである。今日はインド料理の店でカレーなど食す。満腹で電車の中では本を広げたまま居眠りしていた。
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結局、昨夜も3時半くらいに寝て、そんな時間なのになかなか眠れなくてようやく眠ったと思ったら、猫がやってきて擦り寄るようで擦り寄らずうろうろしてたりして、目を覚ます。時計を見るとまだ6時半。最近は50分に目覚ましをセットして、7時くらいまで起きようともがいているので、まだ早い。もう一度寝直そうと、目をつむるが眠りが浅いまま、あっというまに目覚ましが鳴り出す。なんとなくよく眠れなかったという欲求不満みたいなものを感じながら仕方なく起きる。
読書は、『人狼城の恐怖 完結編』(二階堂黎人 講談社文庫)で、ついに読み終える。うーん、面白かった。メイントリックになっている謎は100%正解ではなかったが判ってしまったので、確実な証拠がでるまではまだ証せないと蘭子が焦らし、それに対し黎人が不思議がっているという部分では、一々納得しながら読む。それにしても、次から次へと密室トリックを解明していく心地よさ。っていうか、こういう構成自体本当は書くべきではなかったのかなといまさらになって思ったりして。
シネマスクエアとうきゅうに『ドニー・ダーコ』を観に行く。「世界の終わりまで、あと28日6時間42分12秒」と、銀色の兎に言われた主人公ドニー・ダーコの一ヶ月。ポスターで見た銀色の兎はちょっと髑髏を思わすような不気味さがあるし、世界の終わりとか、奇妙な青春映画とか、妙にそそるものがあって観に行った。しかし、この寝不足の状態で観に行くべきではなかった。眠くなって、純粋に楽しめなかった。いや、退屈な映画じゃないのだが、疲れてるときに観る映画ではなかった。
美少女との恋愛を軸にした青春映画なのだが、ドニーはちょっと狂っている部分があってカウンセリングを受けている。銀色の兎が見えるのもそのせいかもしれない。事件もちょっと常軌を逸していて、突然夜中に飛行機のエンジンが家に落ちてきたり、兎にそそのかされて放火したり、いろいろ面白い。そして一番気になるのは、果たして、兎のいう日に本当に世界は終わるのか。ちょっと予想外の切ない結末だった。タイム・トラベルとかもでてきて、ちょっとSF的な味付けも。
D[di:]が『ドニー・ダーコ』のノヴェラーゼイションを書いている。本屋で立ち読みしてみたら、試写でいたく気に入って、自分が書くしかないと思ったらしい。挿し絵よりは多めにコミック形式のページが間に入っている。文章の方は読んでないけど、コミックの部分は今一かな。D[di:]のコミックもまともに読んだことはないのだけど、他のコミックの方が絵の密度が高くてよかった気がする。
新宿南口の方からLumineのビルに入る入り口で、テーブルを出して『海辺のカフカ』(村上春樹 新潮社)を売っていた。わざわざ、かけ声をあげて売っている。しかし、『海辺のカフカ』の発売日は12日じゃなかったのか。そこでは買わずに、ABCに行って、他にもいろいろ本を見て回ってから、やっぱり買って帰る。もの凄い量の平積みだった。あっちに一山、こっちに一山。
U5さんの編集後記で、僕がamazon.comのアソシエイト・プログラムに参加していると思っていたと書かれていた。bk1は参加したけど、amazonは申し込んでなかった。そういうのがあるというのは知ってたけれど、あんまりamazonって利用していないのである。なんとなく、amazonのページって見にくい印象がある。とはいえ、amazonの方が送料とか割引特典とか、利用価値がありそうだなと最近思ってるけど。そのうち参加するかもしれない。
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相変わらず、朝は眠い。すっかり寝坊して、それでも眠くて朝から読もうと思っていた『海辺のカフカ』(村上春樹 新潮社)は、午後昼飯を食べてからにする。
夜、銀座シャンゼリゼで『13ゴースト』を観る。これも結構怖くて、面白かった。それで最近、ホラー映画の質が上がっているんじゃないかと思った。『13ゴースト』も内容的には、B級ホラーの何のたわいもない話だ。遊園地によくあるミラーハウスとお化け屋敷を一緒にしたような話なのだ。「きゃあきゃあ言いながら、3D眼鏡をかけて立体映像の幽霊からミラーハウスを逃げ回るような話」といったら言い過ぎか。でも、最後にちょっとばかりクライマックスが待っているけれど、ほとんどそれだけで2時間持たせちゃう。
そんな映画だけど、ゼメキスと『マトリックス』のジョエル・シルバーが製作に入っていて、一般向けエンターテイメント映画にしたてているからストーリーがB級ホラー映画のノリでもB級映画のちゃちさがない。監督はスティーブ・ベックで、知らない人だと思ったら『アビス』などで特殊視覚効果を担当していて、CF監督としては活躍しているらしいが、これが長編映画では監督第一作になるらしい。話はそれるが、『ピンポン』の監督も特殊効果で活躍していたひとだったけど、CGなんかが当たり前に使われる時代では特殊効果に強い人などが監督になると強い面があるのかもしれない。
猟奇殺人事件があったりして、ホラー映画が悪者のように言われ、叩かれていたことは忘れもしないが、世の中はすっかり忘れて、ホラーも立派なエンターテイメントの仲間入りをしたということか。ピーター・ジャクソンの『さまよう魂たち』もゼメキスが総指揮とか製作とかそんな感じで名前を出していたので、ゼメキスって実は結構ホラーが好きなんだろうな。まあ、何はともあれ、面白い映画が観られればそれでよし。
銀座にいたので、久しぶりにお気に入りの蕎麦屋に行く。冷や奴と鳥わさで酒を飲んで、蕎麦を食べる。妙にのんびりして幸せな感じになれる。やっぱり、蕎麦屋はいい。
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寿司屋で飲む。何人人が来るのかよくわからないまま今日になった。8人座ってもきちきちの席に9人やってきて、しかもさらに5人来るんじゃないかという話で来たらどうすると大騒ぎ。あとから来る人たちは結局一次会が終わってから来たのでことなきを得たのだが。でも9人入ってようやっと席にあとから5人来たらどんなことになったのか、ちょっと気になる。やってきて、訳の分からないことになった方が面白かったなぁと、ちょっとだけ思う。こういうことを思うのは、なんていうか、日常に飽きてるんだろうな。なにかちょっと違うことが起きてほしいんだ。
最初だけビールであとは日本酒を飲んでいた。二次会で11時半くらいまで飲んで、なんとかぎりぎり終電で帰る。家に帰ってから、畳の上で大の字になって、30分か1時間くらい気を失っていた。でも、寝なくちゃと思ってようよう風呂に入って寝る。こんなことだから、『海辺のカフカ』は全然読み進まず。
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ボリス・ヴィアンの『うたかたの日々』を映画化した『クロエ』の東京での上映が今日までだったので、イメージフォーラムまで観に行く。やっぱり、『うたかたの日々』が原作なら観ておかなくっちゃと思って行ったのだが、予想以上によかった。
永瀬正敏が出てるのは憶えていたが、あとは監督が誰だったかとか出演者も記憶してなかった。小西真奈美が出てきて、このこがクロエなのかなとちょっと思うが、印象的にクロエじゃないなぁと思う。でも、ドラマの「青と白で水色」で非常に印象が強かった小西真奈美が出ていることにちょっと嬉しく思ったのだが、あんまり活躍の場面はなかった。それでもやはり印象的。
そしてその後、ついにクロエが出てくるのだが、これが可愛くて美人というよりファニーフェースで、ちょっと不思議な女の子という感じで、とてもよかった。永瀬の戸惑うような感じはなんかわざとらしいのだが、クロエは不思議っぽさが結構自然な感じだった。誰だろうとずっと考えていて、もしかしてともさかりえかと思いつくのだが、なんとも自信がない。僕の思っているともさかりえの印象と全然違うのだ。ラストクレジットまで確認できなくて、結局ともさかであることが判って、ともさかりえってこんな人だったんだとちょっと感心する。
映画は、肺の中に蓮の花が咲く以外はほとんど原作とは違うのだけれど、でもこれはこれでよかったかなと思う。シャルル・ベルモンの『うたかたの日々』では、ピアノカクテルやライフルの畑まで映像で見せて貰えたのは嬉しいけれど、映像にならない映像を見せて貰うことに意味があるわけじゃないからね。肺に蓮の花が咲いてしまうクロエに対するコラン(『クロエ』では高太郎)の気持ちとか、それにまつわるいろいろの方が大事なのだから。
とにかく、『クロエ』は、結構よかった。
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昼頃起床。食後、この間観た『アサシン』をもう一度観直す。なぜか最初に観たときより面白く感じる。ストーリーが判っているだけでなく、細かい描写までまだ憶えているのだが、不思議と楽しめる。一回目に気づかなかった演出に気づいたというのでもないので、どういうことなのかな。やっぱり好きなのはハーヴェイ・カイテル扮する掃除屋ビクターが登場するところからだ。
あとは『海辺のカフカ』(村上春樹 新潮社)を少し読む。夜はテレビで『グリーン・マイル』を観ようかと思っていたが、居眠りしているうちに始まってしまい、結局観なかった。
なんとなく、寝てばかりの一日だった。その代わり、明け方まで夜更かしして起きていた。まあ、週末いつものことだが。
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DVDで『17歳のカルテ』を観る。ウィノナ・ライダー主演で、境界性人格障害と診断された少女が精神病院で過ごす日々描いた作品。同じ入院患者のリサという少女がいて、良くも悪くも振り回される。その少女役をアンジェリーナ・ジョリーが演じている。テーマ的には結構重たいけれど、観ていてそんなに暗くならない。病院の管理や社会の偏見に反発していくリサの行動にカタルシスを感じるからだと思う。しかし、リサが反体制のヒーロー(ヒロインだけど)で終わらずに、彼女の招く事態に現実を知るという非常に真面目な話で終わるのだけど。最後はホラー映画かと思うような展開もあり最後はハラハラさせられる。アンジェリーナ・ジョリーいいね。
昨日、部屋を片づけようと本を入れるボックスを買ってきたのだが、本当はCDを入れるボックスも欲しかったがいつも買っている物が置いてなかった。ということで、今日別の店に探しに行く。結局、今と同じものを買ったが、1つ500円近くした。100円ショップを覗いたら、半分くらい大きさのものが100円で売っていて、なんだか500円で買うのがばからしくなる。しかし、重ね置きできるような溝がなく、重ね置きすると崩れそうなのでやはりいつものものを買うことにした。
これで、部屋がすっきり片づくかと思えば、ほとんど何も変わらない。CDは机の脇に積んであったものがケースに収まっただけ綺麗になったが、本の方は剥き出しで積んであったものが、ケースの中に収まっただけ。結局は捨てなくてはダメなのだ、ってことは判っているんだけど。
夜、テレビで『ラスト・サマー2』を観る。『ラスト・サマー』もテレビで観たので、テレビで続きを観る程度で充分かなと思って。前作と同じかぎ爪の男が襲ってくるのだが、こいつが犯人だなとすぐにピンときたがその通りで、あまりに見え見えなのががっかり。テレビで観るせいか、それとももともと怖くないのか、あんまり怖くなかった。
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テレビで『Mrマーダー』を観る。タイトルからしてしょうもなさそうな映画で、監督のディック・ローリーという名前も知らない。しかし、原作がディーン・R・クーンツだというので、思い直して観てみる。主演はスチーブン・ボールドウィン。
ストーリーはこんな感じだ。クローン人間による、良心を感じない人間兵器を作る計画によって、優秀な高校生が殺される。その血液を元にクローン人間を作ろうとするのだが、ひょんなことから主人公の作家の血液を元にクローンが作られる。クローンは普通の人間より短期間に成長し、怪我などは一瞬で回復する力を持つ。そして、もう一つ遺伝子操作により超能力を持たせようとしていた。10年足らずで成人したクローンは、暗殺兵器として各国の要人を暗殺するが、その中で自分の存在意義について疑問を持ち始める。一方、クローンの元となった作家は幻覚を見たりするようになっていたが、それは幻覚ではなく、クローンの持つ超能力と共鳴した結果見えていたクローンの見た景色だった。クローンもまた、作家の生活を幻覚のように捉え始めていたが、空港で偶然作家の記事を見て、自分の本当の家族がそこにいると思いこむ。クローンは、自分の生活が別の誰かによって奪われていて、本当は作家だったのだと思いこみ始める。任務を無視して、クローンは自分の生活と自分の家族を取り戻すために作家の元に向かうのだった。そして、作家の生活を奪い取ろうとするクローンとそれと戦う作家の戦いが始まる。
これに加えて、クローンの生みの親がクローンを元の任務に戻そうとしてクローンの居場所を探すという話が絡む。原作がクーンツなので、SF的な設定のホラーかと思っていたが、どちらかというとサスペンスタッチの物語だった。作家とクローンは時には逃げ、ときには追いかける方へと転じるのが面白い。クローンなので、追う方も逃げる方も同じ姿というのがミソで、どちらが本物かわからなくなるところがなかなか味で、家族が偽物に気づかなかったりする。ちょっと物足りないのは、観客には判るように見せているところで、やはりここは、本物と偽物が入れ替わって、どちらか判らないというサスペンスが欲しいところだ。
夕方出かけて、吉祥寺へ。Star Pine's Cafeに「伽羅のひと夜」と銘打った鈴木朋、河井英理、シュンブンのミのライヴを観に行く。途中、本屋で買い物をする。昼間、クーンツの映画を観たと思ったらクーンツの新刊が出ていたので購入した。文庫で上下二冊の『汚辱のゲーム』(講談社文庫)。クーンツは、翻訳権をアカデミー出版がとって、もはや超訳でしか読めなくなってしまったという話を聞いていたのだが、それはなくなったのだろうか? まあ、普通の訳で読めるのはありがたいことだ。他に、『うたかたの日々』(ボリス・ヴィアン ハヤカワepi文庫)、『バイオハザード』(牧野修 角川ホラー文庫)を購入。
7時開演の少し前にStar Pine's Cafeに着くがなぜかまだ当日券の行列ができている。開場が遅れたのか、当日券の人が待たされていたのか不明。とにかく、7時くらいにようやく中に入って、後ろの方に陣取る。シュンブンのミは、小川美潮と板倉文、大川俊司の三人のユニットだが、シュンブンのミとしては初めて聴く。他の二人、河井英理も鈴木朋も今日初めて聴くことになる。最初の河井英理は「ムーン・リバー」のアカペラから始まり、いつもはバンドらしいが今日はピアノの弾き語り。非常に澄んだ声で、心地よい。
二番手がシュンブンのミであるが、今日の小川美潮は単独ライヴのときのようなはじけ方はしなかった。それは単独でないからか、それともバンドも解散して次のライヴ予定もない状態だからなのか。河井英理のきっちりと正統的な歌い方の歌のあとだと、小川美潮の歌はくだけすぎている感じがする。でも、深みがあって味わい深い。MCはいつもながらのすっとんきょうなもので面白かったし、トータルとしてよかったと思う。
三番手で鈴木朋。この人もピアノを弾きながら歌う人だった。パーカッションに後藤まさるか言っていたのは、上々颱風の後藤まさるだろうか。バンド編成で音楽的には結構よかったけど、鈴木朋のヴォーカルは今日のところはちょっと苦手だなという印象。
出かけたので、夜TBS系で放送していたテレビドラマ『タスクフォース』を録画しておいた。なにげなく新聞を見ていたら、監督が行定勲とあったので。週末にでも観る予定。
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