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2012年2月前半
『麒麟の翼 劇場版・新参者』を観る。
ほぼ原作通り、ただテレビ版の登場人物を入れた脚色になっている。それと、阿部寛演じる加賀恭一郎をより主役らしくするためか、原作より一人で行動させている感じがした。原作に近いのは、元々東野圭吾も原作を書くときにドラマ化されたキャストをイメージしながら書いていたのではないかと思う。ガリレオのシリーズが、ドラマ化以降、ガリレオの役のイメージがドラマに影響を受けていたり、ドラマの女刑事が小説版に出てきたりしていたので、この作品もまたそういう影響を受けているのではないかと思う。
原作が最初から映像化を意識しているせいか、違和感はあまり感じないのだが、映画ならではの面白さというのもあまり感じなかった。原作を読んだときに思ったのは、いい話的な終わり方をするけれど実際には無茶苦茶ひどい真相である。その悪い面は表に書かずにいい話に終えていると感じたのだが、原作に忠実だから当然だが映画もまたきれいな終わり方だった。
物語として、どこを切り取って何を見せるかは作者次第だから別に悪いとは思わないが、裏側にある面をあまりにも見せないで済ませている気がした。
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