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2004年5月前半

2004/05/01

ケーブルテレビとカムイ外伝、『犬と歩けば』

 この間テレビが届いて一ヶ月ぶりくらいにテレビを見たら、テレビなんて詰まらないと思っていたのに面白くて仕方がなかった。テレビがない生活とテレビを見ない生活は違ったみたいで、テレビを見ていないと思っていても、たまたまテレビがついていたり、天気予報やニュースなどで意識的につけてみたり、そのついでに見ていないようでも意外と見ていたのだろう。テレビがないことにより、そういう断片的な視聴もなかったので、映像が出て音が聞こえるだけで嬉しいのである。内容は関係ない。かなり原始的な興味だ。

 そんな面白さも一週間も過ぎれば慣れてしまい、内容に目がいくようになり退屈し始めたところで、ケーブルテレビが繋がった。テレビがないので先延ばしにしていた工事がいよいよ昨日あったのだ。工事といっても、CATVコンバータという箱をアンテナとテレビの間に繋ぐだけ。基本契約だけ契約したのだが、それでも今まで地上波しか見られなかったのだが、突然46チャンネルを見られるようになった。衛星劇場とかスターチャンネルとかWOWOWとか別に契約すれば、映画などをたくさん放送しているようだが、最初だから基本契約でどんなものか試してみようと思ったのだが、番組表だけで1冊になっている雑誌を渡されて、もう番組表を見るだけでおなか一杯。最新作やDVD等を買ってでも観たいと思うものになると基本契約では少ないが、ちょっと興味あるくらいのものだと、基本契約だけでも観きれないくらいある。

 そんな中でタイミング良く見つけたのが、『忍風カムイ外伝』である。ちょうど5月1日から5日まで夜中に一挙放送なのである。今はビデオがないので録画ができないのだが、連休中と重なるので十分視聴可能である。録画してしまうと、そのまま埋もれてしまいそうなのでかえってよいかもしれない。そう思っていたのだが、うっかり忘れてしまい、第5話から見始める。

 第5話は「五つ」。この話は強く印象に残っているのだが、たまたま見始めたのがこの話というのが面白い偶然だ。マーフィーの法則に、「1話しか観ていないテレビドラマの再放送を観ると、その観たことのある1話である」とかいうようなものがあったと思うのだが、まさにそれだよなぁと思う。
 ただ、実はこの法則には裏があって、人間の記憶の曖昧さからそう思えてしまうだけなのではないかと思っている。つまり、1話しか観ていないと思っていても、実際には1話しか観ていないのではなくて何話か観ているのに忘れてしまっていることが多いのではないか。推理小説とか2時間ドラマなど、ストーリーの先が読めてしまい、こんなに想像が当たってしまうのだろうと思っていると、突然記憶のはっきりしているシーンにぶち当たって読んだことを思い出すという経験は誰でもあると思う。
 自分の体験だと、『インディペンデンスディ』がそのいい例で、この映画はテレビで何度も放送しているのだがいつも最後の部分だけ観て、最初から観ていないと思っていたのだが、先日全部見たことがないから最初から観てみるかと思って観ていたら結局全編覚えていた。果たしていつ通しで観たのか覚えていないのだが、全編観ていることは確かなのだった。
 今回の「五つ」もそのパターンではないかと思っている。続けて観た第6話「木耳」(きくらげ)もよく覚えている話で懐かしかった。

 昨日のケーブルテレビの話から、いきなり1日の夜中のテレビの話になってしまったが、今日の昼間は『犬と歩けば −チロリとタムラ−』(監督篠崎誠)の初日で、新宿武蔵野館の第一回上映を観に行ってきた。今回は試写などで観ていないので、全く始めての鑑賞。映画の内容も、メインキャストを知っているくらいでほとんど知らない状態なので、映画を観る上ではベストな状態ではないだろうか。
 一回目の上映のあとには舞台挨拶もあるというので、一回目の上映に行ったのだが、家を出る時間を見誤って劇場にギリギリに着く。既に満席で立ち見になっていたがもちろん入る。ゴールデンウィークの初回、舞台挨拶もあるからとはいえ、立ち見が出るほどの盛況振りに喜ぶ。

 映画は、セラピードッグをテーマにしているが動物映画というより人間ドラマの映画で、真面目なテーマなのだが、全編を通して笑いが溢れる映画になっている。特に前半ココリコの田中のダメっぷりや犬との掛け合いは爆笑ものだ。その反面、重いシーン、激しい感情のぶつけ合いなどもある。りょうとその妹役の藤田陽子の壁を挟んでの対話のシーンがそれで、『おかえり』の夫婦のぶつかり合いシーンを思い出すリアルな迫力ある場面になっている。どうやらアドリブを交えた一発撮りらしい。
 全体的にはさわやかな印象が残るいい映画だった。『おかえり』も『忘れられぬ人々』,もいいのだけれど、人に勧めるときにある種の注釈をつけて紹介する必要を感じていたけれど、『犬と歩けば』に関してはそういう注釈抜きで勧められるように思った。それはたぶん今までの作品がある種の偏りを持った映画だったのに対して、この映画はとてもバランスが取れているからではないかと思う。
 念のため断っておくけれど、バランスが取れているのがよくて、偏っているのが悪いということでは全くない。単に他人(特にごく普通の人)に紹介する都合だけの話ね。
 というわけで、僕の好きな作品の傾向とか知っている人にはもちろん、僕の趣味の偏りにはちょっとという人にも、子どもから大人、おじいさんおばあさんまでオススメである。僕はどちらかというと猫派だけど、猫派の方もどうぞ。

 いい加減引越の荷物を片づけようと 午後は家に戻って片づけ。ダンボール箱はとにかくすべて開梱する。ただ収めるところがないので蓋の開いた箱が並んでいる。さて、どうする。

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2004/05/02

韓国料理オフ

 夕方、新大久保で久々に会う通信関係の友人と飲む。18時集合だったが、1時間ほど早めに出かけて、早めに出てきた一人と喫茶店で話をする。共通の話題は、今までは通信の場のコミュニケーションの話がかなりの部分を占めていた。実際に会うのも久し振りだが、実はネット上でも最近は会うことがなくなっていて、もしかして話題に困ったりしないかと要らぬ心配をしていたのだが、久し振りに会っても話題は尽きなくて、待ち合わせまでの小一時間映画の話やら小説の話やらいろいろと話した。

 18時に4人ほどで集まって、新大久保へ移動。韓国料理の店を適当に探して飲もうという企画だったのだが、いい加減なことに店の目星も大体どの辺に行けば店があるのかも調べずに集まっていて、こっちじゃないか、あっちじゃないかといいながらぶらぶらと歩いていた。

 韓国料理店が多いという話だったのに、なにやらタイ料理とか別のアジア系料理店ばかり見つかって、ここでもいいよとかいい加減な発言も飛び交う。そんな中で、行ってみたいと思っていたチュニジア料理の店ハンニバルを偶然見つける。深夜特急ヒンデンブルク号のシルさんの日記でよく紹介されていて、行ってみたいと思っていたのだ。(今度、行こうよ。新大久保に行ったみんな。)

 それにしても、このシルさんを説明するのに、ヒンデンブルク号が出てこなくて、「先行者ゲーム」の人っていう説明をしようと思ったら、「先行者」も出てこなくて、「ほら、中国のロボットの」とか訳の分からない説明をしていたのが、情けない。歳取るとダメだね。でも、「あ、そのゲームやったよ」とか微妙に話が通じていた。願わくば、お互い違うものを指して、頷きあっていたのではないことを望む。

 そんな紆余曲折を経ながら、韓国料理店に無事につき、マッコリを飲みながら、チヂミとかいろいろ食べて、満腹になって一人3000円という格安で、とても良かった。また行きたい。それから、カラオケに行くが、途中から「横山光輝追悼」とかいって「バビル二世」とか「魔法使いサリー」とか入れまくったら嫌な顔をされたが、「仮面の忍者赤影」のイントロで許して貰えたような気がする。

 家に帰って、夜は今夜も「忍風カムイ外伝」を観る。第7話「常風」、第8話「九の一」、第9話「暗鬼」、第10話「空蝉」、第11話「下人」の5本を見るが、一本も覚えている話がなかった。これにはまいった。というのも、これだと昨日書いた、ドラマの再放送に関するマーフィーの法則は実は人間の記憶のマジックでしかないという仮説が脆くも崩れ去ってしまった感じだからだ。
 毎回、新たな追っ手との対決をする一話完結の話という体裁は変わらないが、今回なかなか面白かったのは「暗鬼」という話。疑心暗鬼の暗鬼である。これは船宿で一緒になった4人の誰かが追っ手だが誰が追っ手か判らない、カムイは警戒をして誰にも心を許さないでいるのだが、最後に4人とも死んでしまう。一体誰が追っ手だったのか、というなんとなく「そして誰もいなくなった」みたいな話だと思ったのだが、その答えが発想の転換みたいな答えで、ネタバレっぽいが「逆・オリエント急行殺人事件」と言っておく。
 「忍風カムイ外伝」を観ようと思ったら観られるのかわからないけれど、覚えて置いて機会があったら観てほしい。第9話「暗鬼」ね。

 更新日がかなり遅れがちだけれど、ようやく落ち着いてきて毎日更新できそうな気がしてきたので、なるべくまとめ書きしないで毎日書こうと思っている。遅れている分は土日などに何度か更新して追いつく予定。

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2004/05/03

カムイ外伝

 昨夜は飲んで、「忍風カムイ外伝」で夜更かししたので今朝は午前中寝て過ごす。午後になって活動開始。片づけても片づけても片づかない部屋を片づける。物を捨てなくては片づかないのは判っているのだが、まだしばし無駄な抵抗を続ける。

 夕方、実家に行き、残してきた段ボール2箱を整理して破棄。段ボール1箱分くらいの荷物を持ち帰る。片づけても片づけても二倍三倍と増えていく干しわかめのような日々だ。

 夜中、またしても「忍風カムイ外伝」を観るが、今日は第12話「狂馬」、第13話「天人」、第14話「移し身」、第15話「老忍」、第16話「抜け忍」の5本。この頃から、完全な一話完結ではなく、連作短編のようになって、一話毎に完結はするものの前回のエピソードと関連した話となっている。別の抜け忍の話や同じ追っ手との戦いなどが続く。カムイの得意技は「霞斬り」と「いずな落とし」だが、技というわけではないがカムイの得意な作戦として、野生の馬を利用する話がこのあと何度も出てくる。
 あと印象深いのは、「老忍」が「木耳」以来久々のコミカルな話になっている点か。

 それにしても、昨日に引き続き、覚えている話が1話もなかった。観ていないのかと思うくらいだが、絶対観ていないはずはないんだが。

 話は違うが、カムイ外伝の画を見ていて、横山光輝の画を思い出した。鉄人28号の頃は目が丸いのに、いつの間にか変わっていて、『バビル二世』から『三国志』まで、その目を見るだけで横山光輝って判る特徴のある目になっている。その原点は白土三平だったのかな、と思う。そういや、忍者漫画もたくさん描いているわけだが、その辺りで影響を受けているのだろうか。

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2004/05/04

イノセンス

 友人と一緒に『イノセンス』を観に行く。池袋HUMAXシネマズで観ることにして池袋のいけふくろうの前で待ち合わせる。

 待ち合わせまで若干時間があったのでチケットショップを探しておくことにする。最近、池袋に来ることがほとんどなかったので、映画のチケットを売っている店の場所が思いつかなかった。昔なら文芸座の窓口という手もあったが、新・文芸座になってからまだ行ったことがないので同じようにチケットを売っているかどうかわからない。西武にチケットセゾンカウンターがあるだろうと、西武の案内表示を探してみたが見あたらない。そんなことをしているうちに待ち合わせの時間が近づいてきてしまい、とりあえず待ち合わせてからにしようかといけふくろうの方に向かったところでチケットぴあの案内を見つける。西武線改札左とあるので、行ってみると旅行カウンターと並んでチケットぴあがある。『イノセンス』のチケットもあることを確認して待ち合わせ場所へ。

 『イノセンス』のチケットがあることまで確認して買わなかったのは、もちろん友人が買っているかどうか確認してなかったからだったが、久々に会った友人は最近映画を観ていなくて、映画館に行く前にチケットを買っていくことすら忘れていたとか。
 もっとも、映画が上映開始されてからも前売り券(というか、特別鑑賞券というの?)が買えることを知らない人もいるようで、映画館のチケット売り場は当日券を買う人で長蛇の行列になっていたけど。そのまま劇場に行けば1800円のところ、ちょっと寄り道するだけで1300円になる。大黒屋のような格安チケットショップなら、さらにいくらか安くなる。その上、チケットショップはライヴチケットなどで混んでいなければほとんど待ち時間がないことが多いので、当日券を買うために窓口に並ぶ必要もなくてすむ。それから、酷いときには映画館の窓口から数100メートル離れたところにチケットショップがあったりして、窓口で並んでいる人が可哀想になってしまう。紀伊國屋本店裏のピカデリーあたりとかね。
 そんなわけなので、もし当日券で映画を観ている人がいたらチケットショップに行くようにした方がよいと思う。

 で、『イノセンス』も前売り券を持って、窓口の長蛇の行列を後目に上に上がろうと思ったら、「前売り券は当日券に引き替えてください」とあるので、結局行列に並ぶことになる。ゴールデンウィークで混雑しているのもあるのだが、妙に列の進みが悪いと思ったら、全席指定になっていて、大まかな席の希望を訊いて発見している。空席はかなりあるようなので、そんなの自由席でいいんじゃないかと思う。どうもおしゃれ系映画館がはびこってしまって、そういう点融通が利かない。
 僕らの番がきて、「後ろの方になりますがよろしいですか?」と訊かれたのだが、前の人は「前の方か後ろの方になりますが、どちらがいいですか」と訊かれていたので、前の方にならないか訊いてみると、「前の方は、かなり前の方になるので観にくい席になります」という。じゃあ、後ろでもいいというと、「席は真ん中辺ですがよいですか」というのでこれもOKしてようやく発券。
 実際に席に着いてみると、ぴあリザーブシートになっているほぼ劇場の真ん中ゾーン部分。かなりいい席だった。僕らの前にチケットを買っていた人がかなり前の方の席に着くのが見えた。前の人の方が僕らより先に当日券を買っていたのに席はかなり前の端の方になっていた。想像になるが、前売り券を当日券に交換すると中央辺りのゾーンを優先的に発券してくれるのではないかと思った。

 いよいよ映画鑑賞だが、その前に予告編。最近映画を観ていなかったので、映画の予告編もあまり観ていなくて、『スチームボーイ』も『ハウルの動く城』の予告を観るが、どちらも初見。『スチームボーイ』の声は鈴木杏がやっているとか何かで見たが、ヒロインの方は小西真奈美、『ハウルの動く城』の方はキムタクだし、最近アニメの声も俳優がやるケースが多いのだろうか。単なる宣伝効果なのか、アニメも一般映画と同じ扱いになってきたのか、他のアニメではどうなんだろう。

 映画の感想に入る前にちょっと中断。この日記、もう少し続く。

 続き。

 映画は前作同様、義体が作られていくシーンから始まる。映画の公開にあわせて、球体関節人形展が開かれていたが、その意味がようやっとわかった。というか、映画を観てはじめて気づくというのも間抜けな話だが。今回の義体はもうまるっきり球体関節人形なのである。しかも顔つきなどは四谷シモンとか吉田良の人形を思い出させて、特に前半に出てくる和服を着て髪に花をつけた女の子は吉田良の人形そのものだ。(吉田良の人形は『アストラル・ドール―吉田良少女人形写真集』(amazon)の表紙とかで見られる。)こりゃキャラクターデザインなりなんなりに吉田良の名前をいれなきゃまずいだろうとか、もしかしてそもそも吉田良も絡んでいるのだろうかと思ったりした。そんなわけでクレジットをずっと注意深く観ていたのだが、ラストクレジットでやはり四谷シモンの名前は出てきた、しかし吉田良の名前はない。(見落としではないと思うのだけど。)
 四谷シモンもクレジットの肩書きがわからなかったので、パンフレットで後から確認したら、取材協力としてクレジットされていた。吉田良については、クレジットにもないってのは納得できないなぁ。パンフレットにも「イノセンス」公開記念「球体関節人形展」の開催案内があって、そこの写真も同じ吉田良の写真が載っていた。それなのにクレジットにないのか。

 冒頭の義体ができていくシーンにはこんなシーンがある。胴体から両脚部分が逆さにつながった義体が出てきて、それが鏡に下半身だけが映ってそう見えていたかのように、一瞬後に二つに分かれて普通の人の形の義体二つに分かれるのだ。この胴体の上に逆さの下半身がくっついている人形というのは、ハンス・ベルメールの写真によくでてくる人形なので、これは明らかにハンス・ベルメールへのオマージュとして作ったシーンだと思う。しかし、先に書いた吉田良の人形のイメージはその後もその義体がメインのキャラクターのひとつとして出てくるので、どうしてもしっくりこない。

 前作同様の始まり方をするが、前作の草薙素子はいなくて、憂鬱顔のバトーが主人公として物語は始まる。アニメらしくない憂鬱なキャラが、外部記憶装置を持っているために何かと引用を多様するという設定とともに、妙に哲学的というか小難しくて抽象的なことばかり話している映画になっているのは、結構好きだ。ここ数年の押井守の映像の路線も、前作同様映像と音楽で作り出す近未来アジア的世界もいい。ただ中盤、敵地に乗り込みそこで中華風のカーニバルのようなものが行われているシーンあたりでちょっと飽きてくる。そのあと再び物語が加速して一気に結末まで魅せるけれど。

 Webの評で結構評判が悪い(というより、賛否両論という感じなのかな?)ような印象を受けていたのだが、個人的にはウェルカムで、面白かったしすごいなぁと思った。どこが評判悪かったのか、なんとなく想像がつくようなつかないような。一般受けはしないだろうとは思うけど、これが面白くなくって何で押井守の映画を観ようと思ったりするのか。
 見る前に情報を知りたくなかったので評を読んでいないので、何が不評だったのか知らない。映像美と世界観だけとかそういう批判なんだろうか。愛とかカンドーとか求めてる人はそういう映画を観ればいいのであって、これだけの映像を見せてくれるなら何の文句があるのか。
 小難しい引用が満載なのも不評そうだが、こちらも気に入っていて、外部記憶装置をつけるとみんなあんな風になってしまうという、設定がうまいことやるなぁと思って面白くてしかたない。実際に、外部記憶装置をつける時代が来たとして、何かしゃべるたびに引用しまくるなんてことはないだろうと思うが、ある種憧れるではないか。え、憧れない? そうなると話は別だか。
 まあとにかく、面白く観た。

 映画の後は友人が遊びに来る。『イノセンス』が面白かったので、前作を観たいという話になって、DVDを買って家で観ようかと、近くのビックカメラに行ってみる。僕が観たくなったというのもあるが、そもそも『イノセンス』を観たいといったのは友人の方なのに、友人は『Ghost in the Shell 攻殻機動隊』(amazon)を観ていないというのだ。これは映画を観る前に発覚したので、とりあえず前作のポイントだけを教えておいたのだが、結構ポイントはついていた。義体の説明を忘れていたが、それくらいか。一応、単独のストーリーで前作を知らなくても観られると思っていたのだが、やっぱり観ておかないとわからない。
 そんなわけで前後するが、前作を観ようとしたが、なぜかビックカメラにはなかった。しかたないのであきらめて帰る。家でボジョレーなど飲みながら、DVDでいろいろな映画のさわりを観て過ごす。

 ところで、映画とサントラのほかに、『イノセンス After the Long Goodbye』(山田正紀 徳間書店 amazon)という小説があることを知る。書いているのは山田正紀だよ。こりゃ、読まなくっちゃ。

 深夜は恒例の「忍風カムイ外伝」。今日は第17話「黒鍬」、第18話「追跡」、第19話「りんどう」、第20話「憑き移し」、第21話「女左衛門」。17話「黒鍬」までは昨日までの話の延長に近い。目が見えなくなったカムイの話が続く。18話「追跡」の冒頭はカムイがやられそうになるが、「夢か」とハッと目覚めるという酷い始まり。さらに笑ってしまったのは、懐いてきた犬が途中で忍犬だと判るのだが、なんとその犬もまた抜忍だったという話。犬の抜忍ってなんじゃそりゃ。その抜忍の犬は追っ手の忍犬(!)に襲われて、相手を倒したものの自分も重傷を負ってしまう。それをカムイが手当をして、快復した犬にアカと名をつける。「りんどう」ではカムイが流砂に落ちて危機に陥り、アカに縄をとってくれと頼むがアカはそのままどこかに行ってしまう。実はカムイの追っ手を見つけたアカが単身戦う。ここでいいのは、カムイはその事実を全く知らないというところだ。それにしても、絶体絶命の危機に陥ったカムイがどうやって助かるかは、あまりに酷すぎて笑ってしまう。これは必見の話かも。
 カムイに友ができるわけもなく、「憑き移し」でこの一連の話は終わる。「女左衛門」は抜忍のくノ一の話。これは一話完結かと思ったら、次にまた話が続いていくようだ。

 「忍風カムイ外伝」は昔のアニメだがかなり質が高い。ただ、話の荒唐無稽さでは、犬の抜忍とかエピソードに無茶苦茶なものがあったりする。この辺りは昔の漫画らしいというか、それもまた味わいの一つかもしれない。

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2004/05/05

テレビ三昧日記

 連休最終日。何故かテレビ三昧の日になってしまった。

 まずはDVDで『マトリックス』(amazon)。昨日『イノセンス』を観てきた関係で、いろんなDVDのさわりを見たのだが、『マトリックス』も久々に観て、面白くなって昨日と今日の二日に分けて観てしまう。一作目は結構好きだったのだが、やっぱりいいなぁ。なんで二作目、三作目であんな風になっちゃったのか。残念だ。

 それから、日本映画専門チャンネルで「トリック2」。ふとテレビをつけると一挙放送していて、最後の4話ばかりまとめて観る。続けて『トリック 劇場版』(amazon)も放送していたが、こちらは劇場で観たことだし、今回はやめておく。

 そのあと食事を済ませてから仮眠を取る。そして深夜1時から、『忍風カムイ外伝』の最後の5話を観る。ちなみに昨日、『忍風カムイ外伝』について書き忘れたので、昨日のところに追加しておいた。今日は第22話「一白」、第23話「双忍」、第24話「鮫殺し」、第25話「十文字霞くづし」。
 「一白」から新たな一連の話となる。正確には昨日の「女左衛門」から続いている。「一白」でカムイが助けた漁師が実は「女左衛門」で出てきた抜忍のくノ一スガルの夫だったというつながりで、カムイは男の村に漁師として仲間に加わろうとするが、くノ一スガルはカムイを信じようとせず命を狙ってくる。一方、スガルの娘はカムイに恋をしたり、別の抜忍の一団と出会うがそこには裏切り者がいて、カムイはもちろん、スガルと抜忍の一団も危機に陥るという話。カムイ外伝自体がこれで終わるのだが、なんとも救われない終わり方である。もっとも、幸せに暮らしましたとさ、とはならない物語ではあるかもしれないが。
 『カムイ外伝』(amazon)の原作の方も読みたくなってしまった。今検索してみたが、今でも手に入るんだ。

 午前3時半、明日からはまた仕事の日々だと思うとちょっと憂鬱。

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2004/05/06

日記消化とルパン三世

 昨日から、溜め込んだ日記を消化開始。昨日は1日の日記を書いていたら思いの外長くなってしまった。今日も2日の分を書いたが、昨日ほどではないがそこそこの長さになる。数行書くにも苦労していたのはどうしたことか。しかし、全然読み返していないので文章が乱れているのではないかとちょっと気になったり。

 深夜に帰ってきて、食事をしてからケーブルテレビの番組表を眺める。毎晩観ていた「忍風カムイ外伝」が昨日で終わってしまい、手持ち無沙汰な感じがして何かやってないかと確認。とはいえ、明日も仕事の身、面白そうでもあまり遅くまでだと観るわけには行かない。早く帰ってきていれば、昨日みたいに先に仮眠をとってしまって、3時半まで観続けるっていう手も取れるが、今日は食事を済ませたらもう既に1時過ぎ。しかし幸か不幸か観たくなるようなものが見あたらない。

 特に観るものがないときは、MTV、MUSIC ON! TV、スペースシャワーTVのいずれかで適当にBGMになりそうな番組を流している。今日もそんな風にして、それでも何度目か番組表に目を通していて、ふと心に引っかかったのは、「ルパン(新) #145」だった。テレビ版「ルパン三世」は初期シリーズ以外は嫌いなのだが、「新・ルパン三世」で宮崎駿(照樹務名義)が演出した二本だけは別で、最終話ともう一本ある。その話数何話だったかは既に忘れているのだが、145話というのはなんとなく近い数字のような気がしたのと、こういうときこそマーフィーの法則は働くという予感がして、テレビをつけてみた。

 果たして、キャンピングカーですき焼きを食べるシーンが始まる。やっぱり、「死の翼、アルバトロス」ではないか。ほとんど偶然のようにして観ることができたが、先日立てたマーフィーの法則に対する仮説がまたも崩れた感じ。やはり、ドラマの再放送を観ると同じ話数を観てしまうのは、人間の記憶とかの問題ではなく、何か宇宙の法則のような力が働いているのだろうか。

 「死の翼、アルバトロス」は久々に観たけれど、くだらないけど面白いなぁ。峰不二子のポーズが『エマニエル夫人』のパロディになっているとか、ルパンと次元が手錠をかけられたまま逃げるのは『ルパン三世 カリオストロの城』のカジノから逃げ出すシーンの自己パロディになってるし、アルバトロスを追いかける飛行機での乱闘はやはり『カリオストロの城』のオートジャイロでクラリスを助けだそうとするシーンを思い出す。これはパロディとかではなくて、同じ引き出しの使い回しという感がなくもないが。
 でもそういうところに宮崎駿の演出の特徴とかテクニックとか見えてくるようで、話よりも作り手の立場で面白かったりする。そういうのを面白いとか言ってはいけないのかもしれないが。

 ちなみに宮崎駿演出の最終回155話「さらば、愛しきルパンよ」は20日(木)26:30(アニマックス)になる。『天空の城ラピュタ』のロボットの原型になるロボットが登場するので、こちらも久々に観たい。忘れて見逃したりしないようにしないと。

 テレビを見ていて3時になってしまったので慌てて就寝。

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2004/05/07

テレビ

 今日も深夜の帰宅。テレビは特に観なかった。シャローン・ストーン主演のリメイク版『グロリア』(amazon)がムービープラスで、「エコエコアザラク」映画第4作目『EKOEKO AZARAK エコエコアザラク』(amazon)がチャンネルNECOでやっていたのだが、既に始まっていたり食事をしていると始まってしまいそうとかタイミングがよくない。どちらも観てないのでちょっと興味があったのだが、明日に備えて早寝することにする。
 それにしても、これだけ映画をテレビで放映していると、DVDを買うなりレンタルする必要ないなぁ。というか、それは当たり前か。それだけの月額料金を払ってるわけだし。放送時間が決まっているのが難といえば難だが、何度も繰り返し放送されているので、今ビデオデッキがなくてもあまり不自由を感じない。もうちょっとうまく活用したいところ。

 昨日に引き続き、溜まっていたうたかたの日々を片づける。今日は5月3日分、分量的にはだいぶ減った。ネタも「忍風カムイ外伝」くらいしかない。

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2004/05/08

引越後のごたごたとノートPCセッティング

 9時半頃起きて朝食後、4日の日記を書き始める。何か調子が乗ってきて、書いても書いても書き終わらない。『イノセンス』を観に行ったということと、その感想だけのつもりだったのに、『イノセンス』を観に行くところまで書いたら半日過ぎてしまった。いや、もちろん合間に雑用もこなしているけどね。とりあえず、昼過ぎにいったん中断して書いたところまでアップ。

 午後は掃除とか片づけものをする。片づけものは、引越の段ボールの片づけはもちろんだが、ちょっと余計な作業も出てきた。実は今回の引越時に、ライティングデスクを買ったのだが、いくらも使っていないのに、先々週の末に開く扉の金具の部分が壊れてしまった。家具屋に問い合わせたところ、交換してもらえることになったのだが、それが今日届く予定。そのため一度はセットしたパソコンやら、机の上のもろもろをすべて一旦取り出さなくてはならなかったのだ。

 そんなわけで、午後はメインのパソコンが使えなくなり、変わりにノートPCのセッティングなどをする。夕方からノートPCで4日の日記の続きも書く。

 夜はライティングデスクの交換後、荷物を戻して再びPCのセットアップをする。PCのセットアップ中に気づいたのだが、あるはずの棚板がない。そんなわけでまた問い合わせの電話をする。とりあえず、配送の確認をして明日連絡をくれるという。その確認の上、足りない物があるのであれば再度届けるとのこと。なかなか用事は片づかない。

 日記もさらに6日分まで書いて、随時アップ。土日で溜まってる日記を片づけられるか?

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2004/05/09

日記書きとQuinkaライヴ

 朝から日記書き。ようやく一昨日の分まで書き上げる。このところ、筆が進むというか筆が滑るといった方がいいのか(いや、キーボードだろという突っ込みはなしね)、調子よく書けるので毎日の日記に戻して、さらに日付の差もなくそうと書いているが、そうなるとやや無理があるみたい。書けるときは、自然に書きたいことで文字が埋まってしまうし、無理に書こうとするとやっぱり進まない。頭の中には書きたいことというのが結構あるのだけど、それを文字に起こす時間と自分の持っている余裕とが釣り合わないとダメなのね。やっぱり、人間余裕というものが必要だ。

 なんとなく気ぜわしいのは、連休も今日で終わり、やりたいことがいろいろあるのであれもこれもと気になってしまうからだろう。パソコンに向かっていたかと思うと、ケーブルの番組をチェックしてみたり、部屋の片づけをしてみたり、落ち着きがない。9時半くらいに出かけようと思っていたのに、気づいたら10時半になっていた。これ以上もたもたしていてはいけないと思って、11時少し前に出かける。

 今日、どうしてもやっておきたかったのは、雑貨というか生活必需品というか−−必需品というと大袈裟かな、なくても死なないが、ないとちょっと不便という程度のもの−−を買うことだった。例えば、傘立てとか、物干し竿とか、洗面所に置くラックのようなものとか、そんなもの。で、その通りのものを買って帰る。他にも探している物があったのだけど、しっくりこなかったものは買わなかった。物干し竿はともかく、傘立てとラックは一応納得できるものが手に入ったので今日の目的はほぼ達成。

 夕方、17時半頃から新宿に出かける。新宿red clothに行き、Quinka, with a Yawnのライヴを観る。Quinka, with a Yawnのライヴは久し振りだ。ここ続けて2回くらい行けなかった。1月に今の仕事が始まってから、平日のライヴや映画には全然行けなくなってしまった。ちょうどここ2回ほどのライヴは両方とも平日だったので、諦めざるを得なかった。前回行ったのは2月14日だったから、およそ3ヶ月振りになる。

 今日のライヴは3バンド出演で、最初にトラベリングパンダ、次にQuinka, with a Yawn、最後にwaffles。トラベリングパンダは名前も始めて聞くバンドで、今ひとつ琴線に触れるものがなかった。wafflesは前から聴いてみたかったけど、まだ聴いたことがなかったバンドで、結構楽しみにしていた。しかし別に特定のイメージができていた訳ではないのだが、期待しすぎてかどこか予想と違った感じがして、何が悪いとはいえないのだがもうひとつ乗り切れなかった。ただ一曲すごくいいと思った曲があったのと、アンコールでヴォーカルとキーボードの大野恭子が歌ったのがなかなか良かった。アルバムとか改めて聴いてみようかと思う。

 そしてお目当てのQuinka, with a Yawnの今日編成は、Quinkaさん、サチさん、それにベースの人の3人編成だった。最初の「ナポリ」で、思いっきりピアノに感情をぶつけるように演奏するQuinkaがかっこよいスタート。カバー曲をやったり、新曲はQuinka自らギターを弾いたり、新鮮な感じ。というか、久々に聴くライヴなので、どの曲も新鮮な感じがしたのだけど、最後の「サチコ」もまたよかった。
 感想についてはもう少し書きたいのだが、今日はこの程度で。また追記できればしたいけど、そういっていると書けないままかもしれない。

 ライヴのあとはちょっと急いで帰る。明日までにやっておきたい仕事をするが、眠くなってあまりはかどらない。ええい、ままよ、と寝る。あ、その前に日記を書くが、9日の分までは書ききれなかった。なんとかずれをなくしたかったのだが仕方ない。

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2004/05/10

健康診断

 健康診断があり、しかも年寄りは成人病検診のため、朝食抜きで検査を受けろという。そんなわけで、朝飯抜きで出かける。まあ、その分ゆっくり眠ることができたが。

 健康診断の他に雑用を済ませて、移動してから本来の仕事に戻る。夜、遅くまで仕事をして家に帰ると午前様。やり残しの仕事を深夜も続けるが、はっと気づくと外は明るく、時計の針は5時を差していた。パソコンに向かって椅子に座ったまま眠ってしまったようだった。1時間でも寝ようと布団にはいるが、1時間で起きられるはずもなく、目が覚めるとそろそろ出かける時間。朝食を取らずにバタバタと出かける。

 あれ、これじゃ明日の日記ではないか。あとから書くと、こういう矛盾が発生する。

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2004/05/14

11日〜14日

 せっかく日々更新に戻ったと思ったのだが、GWの終わりとともに日々更新のペースもいきなり崩れてしまった。遡って、書いても日々のネタは少ないので、まとめ書きする。

 11日火曜日。この日までは日々更新しようと書きかけた。ほとんど月曜と同じ内容で、夜中1時頃に帰ってきて、食事をしたあとちょっとベッドでぬぼーっとしてたら、気がつくと5時くらいになっていた。6時まで寝直して、朝風呂に入って出かける。あれ、これじゃ水曜日の日記じゃないか、ってとこまで同じ。

 12日水曜日。書いてなかったかもしれないが、数日前にようやっと『陋巷に在り 11 顔の巻』酒見賢一 新潮文庫 bk1 / amazon)を読了。壮絶な話だった。早く12巻が読みたいが12巻はまだ文庫になっていない。単行本では13巻で既に完結しているので、残り二巻。残すところ2冊と判っていると早く読みたいような読まずに取っておきたいような微妙な感じ。
 で、『陋巷に在り 11』を読み終えたので、『偶然の祝福』小川洋子 角川文庫 bk1 / amazon)を読み始める。まずは最初の一編「失踪者たちの王国」。小川洋子は元々とても好きなのだが、この作品は特にしっくりきた。語り手が小川洋子を思わせる小説家であるというのも−−もちろん違うのだが、いつの間にかイメージをダブらせてしまう−−現実との非現実の境界を曖昧にして、小川洋子的世界がとても身近に感じて、しっくりくるのかもしれない。
 小川洋子は好きといっても読んだものは割と少ない。この間、『ユリイカ』の小川洋子特集を読んでいて、あまりに未読が多いことに驚いた。この機会に持っていないものを買い集めるか。

 13日木曜日。昨日はいつの間に寝ることはなかったが、寝たのは4時頃。6時には起きられず、気がついたら7時を過ぎている。朝食を取る暇がなくてそのまま出かけるが、昨夜の食事が深夜なので胃がもたれた感じがして空腹感がないのでちょうどいい。ん、いいのか?
 昨日に引き続き、『偶然の祝福』を読む。今日読んだのは「盗作」と「キリコさんの失敗」の二編。「盗作」を読み始めて、またも小川洋子的作家が語り手になっていることに気づく。「キリコさんの失敗」は子ども時代のお手伝いさんの一人、キリコさんにまつわる回想だが、その中で「私」が万年筆を貰って文字を書くことに喜びを感じ、いつしかただ文字を書き写すのではなく自分で物語を紬出すようになっていくいきさつが書かれている。キリコさんの不思議なエピソードと共に、キリコさんが初めての読者となることで「私」が物語の作者となっていくことが描かれる。
 語り手の「私」の背景は重なっているようで、もしかしたらこの短編集はすべて小説家の「私」を主人公にした連作短編になっているのかもしれない。残り三編もそうであればいいなと思う。この「私」のシリーズはやはりしっくりくるのだ。
 家に帰るとライティングデスクの棚板が届いていた。早速取り付ける。いろいろな物がようやっと片づいてきて、ようやく引越が完了してきた気がする。でもまだ段ボール箱は残っている。

 そして今日。昨日と同じく、目が覚めたら7時半ですぐに出かける。昨日と同じく何も食べなくても腹は空いていない。3時間半ほどしか寝ていないので、続きは電車の中で。そろそろ限界なので、今日が金曜日なのは救いだ。
 小川洋子の『偶然の祝福』から、今日は「エーデルワイス」。これもまた小説家「私」の物語で、奇妙なニセの弟が出てくる話だ。水泳選手の弟の話を書いたデビュー作とか、「盗作」の「私」に通じる描写を見つけると「私」シリーズなのだと思って安心する。安心するとというのはおかしいが、この「私」のシリーズをもっと読みたいと思うからだろうか。昨日思ったように、やっぱりこの一冊はすべて小説家「私」を主人公にした物語なんだろう。
 『偶然の祝福』に収められた話は、奇妙な出来事が決して奇妙ではないきちんとした理由に帰結するようでいて、でも少し辻褄が合わないところが残る不思議な話といった雰囲気を持っている。この「エーデルワイス」はその中でも奇妙なニセの弟の話が非現実さが大きくて結末が唐突な感じがしてちょっと落ち着かない。
 珍しく早く家に帰り、久し振りに今日のうちに晩飯を摂れた。

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2004/05/15

フラッシュメモリと平成ガメラ

 最近、PC間でデータのやりとりをするのにUSBフラッシュメモリが必須という感じになってきている。種々の理由でネットワークが繋がっていなかったり、メールで送るにはデータサイズが大きかったりとか、そんな理由だ。自宅で使用しているデスクトップとノートの間もLANで繋がるはずなのだが、現実問題として繋がってなかったりして、そこでもデータのやりとりで、かゆいところに手が届かないというか、あると便利よりないと不便に近い状態だったりする。

 デスクトップとノートが繋がらない方の問題は、ネットワークのスピードを無視すればすぐに繋がる。二台とも今まで使っていた無線LANルータを介して繋げばお互いがネットワーク上見えるのだが、こうすると何故かインターネットの接続スピードが落ちる。今、デスクトップからインターネットに繋いで、インターネットの回線速度測定サイトなどで調べると、17Mくらいのスピードが出ている。(これもちょっと疑問で、光で繋がっているので100Mとはいかなくても、50Mくらいいってもいいと思うのだが理由がわからない。この間まで10Mくらいしかでていなくて、少しPCの設定をチューニングしてみたところ17Mにあがったので、チューニングすれば改善されるのかもしれない。チューニングについては、まだこれからいろいろ調べてやってみるつもりだが、なかなかその時間がとれていない。)ところが、無線LANルータに繋いだだけで4Mくらいになってしまって、あまりに酷いのでデスクトップは無線LANルータを通さずに繋いでいる。ノートの方も直接部屋に出ているLANに繋げばいいのだが、やはりコードレスで場所を選ばず接続したいので無線LANルータを介す。そうするとお互いのPCが見えなくなってしまう。大した問題じゃなくて、ちょっと繋ぎ直せば何とかなりそうな気がするのだが、調べる暇がないのでそのままになっている。

 で、話を戻して、USBフラッシュメモリが欲しいと思って、近くのビックカメラに行く。近くというのが本当に近くで歩いて5分くらいである。あまり近いので、ビックカメラにはあまり行ったことがなかったのだが、最近はもっぱらビックカメラに行くようになってしまった。USBフラッシュメモリもいいのだが、ノートにはSDメモリカードが使えるし、クリエはメモリスティックなので、カード読み取り装置とメモリカードの組み合わせも考えていて、どれがいいかいろいろ見てみるつもりだった。しかしUSBフラッシュメモリの値段を見たらあまりに安くなっているので、他のモノと較べる気がしなくなってきた。128Mのものが5000円くらいで買えてしまう。128Mでも十分足りるとは思ったが、256Mの方が2倍の容量で8000円ちょっとと、コストパフォーマンスがいいのでこちらにする。
 MSのソフトも買おうと思って見てみたら、オフィス以外のソフトはバカ高いことを知る。こんな高いんじゃ買えない。オフィスソフトも結構な値段なので、バージョンアップの必要を感じるまで買う必要はないと思った。買う予定はなかったのだが、ついでにDVDソフトのコーナーに行ってみたら、999円のシリーズがあって、あまりに安いので思わずチェックする。安い理由は、全部調べた訳じゃないが、少し昔の作品で収録も英語+日本語字幕のみで吹き替えなしだからだろうか。結局、デ・パルマの『フューリー』(amazon)『ファントム オブ パラダイス』(amazon)、コーエン兄弟の『赤ちゃん泥棒』(amazon)、デニス・ホッパー(出演)の『リバース・エッジ』(amazon)を買う。しかしいつ観るんだ。

 いつ観るんだとかいうのは、CATVでやたらたくさん映画が流れているので、少しでも観てみたいものをチェックし始めるとキリがないからだ。書き忘れたけど、昨日は村川透監督の『野獣死すべし』amazon)を途中から観たのだった。劇場で観たはずなのだが、すっかり忘れていた。それでもって、こんなに過激な映画だったっけと、呆れたりした。過激ってのは殺人とかよりも映画の撮り方とかそんなの含めてね。角川映画って中高生とかをターゲットにアイドル映画とその周辺という気がしていたけど、こんなの中学生が観ても訳が判らないだろう。

 今日は懐かしい『ガメラ 大怪獣空中決戦』amazon)を観る。平成ガメラなのに懐かしいと感じると思ったら1995年作品で、もう9年経っているのだった。もっとよくできた映画だと思っていたけど、今観るといろいろ不満とか情けない部分もある。最初に観たときには、よくぞガメラを甦らせてくれたという感激でそういうアラも気にならなかったのかな。

 話がやたらそれているが、そんなわけで何気なくテレビをつけると観てしまう。今日は平成ガメラも3作ともやっていたし、そのあとには『エコエコアザラク』を4作ともやっていた。しかしガメラとエコエコアザラクを全部ぶっ通しで観ると、15時から午前4時まで潰れてしまうのでガメラ一作で諦めたのだった。今日だけでも他にもリンチの『マルホランド・ドライブ』とかマイケル・ムーアの『ボウリング・フォー・コロンバイン』とか映画館で見逃した映画もやっていて、ガメラとか見ている場合じゃないとか思ったり。
 なんだか、CATVに入ってからすっかりテレピっ子状態である。とはいいつつ、新聞を取っていないので地上波についてはどんな放送をしているかもほとんどわからない状態。

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2004/05/16

小川洋子

 昨日は、食後疲れたのでノートPCをベッドに持ち込んで、寝転がってWebなど見ようとしたのだが、そこでちょっと眠いと思って目を瞑ったらそのまま朝まで寝てしまった。ふと気づくと、翌日の朝で電気はついているし、ノートPCは傍らにある。とりあえず電気を消したらそのまままた夢の中。結局、目が覚めたのは12時半だった。やっぱり疲れていたみたいだ。

 疲れていたからといってのんびりできるわけでもなく、日曜日だが仕事に出かける。移動中、Quinka, with a Yawnを聴きながら小川洋子の『偶然の祝福』(bk1 / amazon)を読む。ゆっくりとかみしめるように読んでいたが意外に早く読了。それにしても、電車の中で好きな音楽を聴きながら好きな小説を読むというのは、なんていうか至福の時というと大げさだが、ささやかな幸福のひとときだと思う。読みながら、ふとこのままずっと電車に乗っていたいと思った。
 最近、家にいるとほとんど用が足りてしまい、出かける必要を感じないのだが、こうやって電車にただ用もなく乗るのもいいかな、などと思う。いや、もちろん今日は用があったのだけれど。

 仕事の方は、ちょっと嫌な予感もあっただが、予感的中で結果として何も成果なしのまま1時間で終了。家に帰る。帰りに本屋に寄り、小川洋子の小説を探す。文庫では平積みで新刊の『密やかな結晶』(講談社文庫 bk1 / amazon)があった他は、今日読んでいた『偶然の祝福』しかなかった。小川洋子の作品が結構あることがわかったので、もっと並んでいるかと思っていたので悲しかった。単行本は、『博士の愛した数式』(新潮社 bk1 / amazon)と『ブラフマンの埋葬』(講談社 bk1 / amazon)があった。どうしようか少し迷ったが、結局文庫1冊と単行本2冊を購入する。
 帰り道、家の近くに改装中の沖縄専門店があるのを見つける。リニューアルオープンしたら行ってみようと思う。

 夜、「欲望の曖昧な対象」に持っていない小川洋子作品をリストアップする。実際には、今日の昼間買ったものも3冊あるのだが、新刊ということもあり入れておく。リストを作っているうちに、どうせ本屋には置いてないんだからWebで買えばいいんじゃないかと思い始めて、Webから注文する。4冊ほど注文したので、書店で買ったものと合わせて、小川洋子作品を一気に7冊購入したことになる。読書の愉しみはこれからしばらく小川洋子になる気配。

 せっかく出かけたのに仕事にならなかったため、夜は家で仕事。明け方の5時まで資料を作って6時まで仮眠するつもりで布団にはいる。1時間で起きらなくてはならないのが辛い。

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