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2003年2月前半
昼頃起きて、食後本屋に行く。せきぐちさんのwhatwedidonourholidays*(1/28)で知った、付録CDに鈴木祥子の未発表曲3曲を収録している「CDジャーナル」2月号を購入する。今日行った店でも、最初見あたらず、店員に聞こうかと思ってその前にもう一度と確認したら2冊だけあるのに気づいた。最近、大きな本屋に行っていないので、他に何かないかとふらふらと見て廻り、『霊玉伝』(バリー・ヒューガート ハヤカワ文庫 FT bk1/amazon)と『陋巷に在り 8 冥の巻』(酒見賢一 新潮文庫bk1/amazon)を購入する。
駅の構内で中古CDのワゴンセールみたいなのを見かけたので覗いていみる。裕木奈江のCDが目に留まり、『エヴァー・グリーン』、『アラモード』、『森の時間』、『a Leaf』と4枚もまとめてあった。持っていない『エヴァー・グリーン』、『アラモード』を買う。『エヴァー・グリーン』はベスト盤、『アラモード』はGS、ドドンパなどのちょっと昔の音づくりの1枚。あと、モーニング娘はほとんど敵みたいなもんで聴かないのだが、新品で売ってたので『ぜんぶ!プッチモニ』を買う。それと、吉良知彦プロデュースの『七月の雪』(カラク)が新品で並んでいたので救い出す。隣にはダリエもあったけど、みんな救い出すわけにいかないので諦める。
仕事をしながら、パソコンでCDジャーナルの鈴木祥子の曲を聴くが、ディスプレイについたおまけみたいなスピーカーなので音が悪い。とりあえず一通り聴いて、あとでちゃんと聴くことにする。
夜、お茶の水に移動して、劇団解体社の公演「DEATH IS LIVING −死ぬがままに−」を観る。解体社公演もずいぶん長いこと観ているが、このところ見逃して久しぶりのような気がする。お茶の水のアトリエは初めていくところで、公演が3日間しかないのもあってか、今日は満席だった。
開演して炎の光で人の姿が浮かび上がる。解体社は女性中心という印象があるが、そこにいるのは一瞬全員男性かと思い(実際には二人女性が混じっていた)、意外な感じがした。そういう劇団員の違いも含めて、初めて解体社を観てからもう10年弱経つ間にいろいろと変遷してきたと思う。今日も戦争の映像が流れたりして、政治的なメッセージも強いのだが、断片的に発声する言葉の意味と身体運動の関連を結びつけて一つのストーリーを読みとろうとしてもそういうものは指の間からすり抜けるように形にはならない。きわめて主観的な意見だけれど、昔本郷DOKで初めて観た頃の印象に近いと思った。
舞台のあとには、いつもどおりビールで会話する時間がもうけられて、今日は受付を担当していたをるがさんらと話す。文学座の演出をしているという人ともちょっと話した。
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昨夜は、「うたかたの日々」を書いたあと、またもやYahoo! メッセンジャーでチャットする。仲間は芋蔓式に増えていて、また一人追加。新たにこちらはモバイルハンディカムで画像を中継してきて大騒ぎ。昨夜のスペースシャトルの事故のニュースも、Yahoo!メッセンジャーからのビデオ公開機能で、NHKニュースを高知からの生中継で知るという屈折した情報収集。
しかし、スペースシャトルの事故についてはなんともいいがたい。9.11.の時もそうだったけど、テレビのニュースが全然リアリティを感じない。ニュースを見ていて、『スペース・カウボーイ』という映画を思い出した。映画では、ラストでスペースシャトルのコンピュータの制御がきかなくなり手動で着陸するのだが、その映画のように故障しつつもうまく着陸できるんではないかと思ったりした。そんなわけないことは判っているのだが。そして、スペースシャトルの破片らしきものが見つかったといっても、全然リアルに感じないのだよな。今日になって、ただビデオを流すだけではないニュースが流れて、ようやっと実感がわいてきた。
今日は読書で、『スーパー・カンヌ』(J.G.バラード 新潮社 bk1/amazon)を読んだだけ。あとはほとんど休養の日。
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ユーロスペースからDMが届く。特記すべきは敬愛する映画監督アレクサンドル・ソクーロフの『エルミタージュ幻想』のチラシ。久々にソクーロフ映画をやると楽しみにしてはいたのだが、いよいよ2月22日から。それで、チラシを見ていたら、なんと「映画史上初!! 驚異の90分ワンカットの映像」とある。うーん、なんともさすがソクーロフとしかいいようがない。
夜は、今夜もチャットする。昨日も二人、今日も一人メンバーが増え、芋蔓式にどんどん増えていくので面白い。
以上。何か書こうと思ってねばっていたが、やっぱり何も書くことがない。とほほ。
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宅配便で、ものすごく大きな荷物が届いたので何かと思ったら、先日Webで購入したシマンテックのInternet Securityのバージョンアップ版だった。箱をあけると、箱のサイズの3分の1以下のパッケージが出てきた。早速インストールして、セキュリティの確保。
今日もチャット仲間は増えた。仲間が増えるとチャット招集してみるかという自然の流れで、今夜もチャット。もう、毎晩チャットしている。
読書は相変わらず『スーパー・カンヌ』(J.G.バラード 新潮社 bk1/amazon)を読んでいる。面白くて一気に読みたいと思いつつ、チャットなどしているから結局進まず。ようやっと5分の3くらいか。
午前3時。天気予報によれば、今夜半から雪が降りだして積もるという話だったが、まだ雪の気配はない。
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天気が悪くなりそうなので、荷物にならない文庫をポケットに入れて出かける。というわけで、『陋巷に在り 8 冥の巻』(酒見賢一 新潮文庫 bk1/amazon)を読み始める。
夜、食事代わりに飲みに行く。年度末に向けていろいろある。
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毎日同じような生活をしていて、昨日、一昨日あたりは、「うたかたの日々」に何も書けなくなる。これは書くことがないともいえるのだが、実際は必ずしもそうではない。何も書くことがなければ、書けないということをネタに書くとか、書けるときには何もネタがなくても書けるものだ。だから、書くことがないのではなくて「書けない」なのだ。それじゃあ、なんで書けないのかというと、やっぱり面白いと思えることがないからなのだろう。なんとなくそんな状態から脱する。こういうことをぐだぐだと書けるというのは、書けない状態から脱したんじゃないかと思う。もっとも、こんなぐだぐだは書かない方がましかもしれないが。
ここ数日『ぜんぶ!プッチモニ』を聴いている。「ちょこっとLOVE」くらいしか知らないのだが、久しぶりに聴いたらいいなと思ったのだがそれだけで、聴いたら聴いてみたで楽しいけれど、特に聴かなくてもいいと実感した。
話は変わって、『坂口尚短編集 第5巻』が規定の注文数に達しないと発刊されないことになり、その辺の状況に何か変化はないかと「坂口尚BBS」をよく見に行っている。今日も見に行ったら、「あすなひろし公式追悼サイト」を主催している人の書き込みがあった。あすなひろしって好きな漫画家だったのだが、亡くなっていたとは知らなかった。
と、少しは書いてみたが、なんだかまとまらない。やっぱり無理矢理書いている感がある。読んでる方からするとどうなのかな。書き手の不調とかみえてるもんなのか、どうなのか。
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昨日からなんとなく腹の調子がおかしいと思っていたが、今朝も変だった。そんなわけで、出かけるのを午後からにしたので、午前中ちょっとのんびりできる。睡眠も1時間半くらい余計に取れたので少し疲れがとれる。さりながら、鼻が詰まった感じがして、風邪を引き始めた感じがする。
今日もまたバタバタしているうちにあっという間に終わってしまう一日。週末だし、映画でも観に行きたいと思っていたけどダメだった。
読書は『陋巷に在り 8 冥の巻』(酒見賢一 新潮文庫bk1/amazon)であと少しで読み終わるところ。しかし、夜は今夜もチャットで盛り上がり、最後の部分がまだ読まないまま。このあと寝る前に読むかもしれない。
関心空間は、存在自体は前から知っていたのだが、今ひとつピンとこなくて利用していなかった。チャットで話していて面白そうだったので、IDを取ってみた。→露地温の関心空間。
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昨夜は結局「うたかたの日々」をアップしたあと、関心空間を書いていたら急に睡魔が襲ってきて、半分眠りながら書いた。そんなわけで、そのままぐっすり眠って気がついたら1時くらいになっていた。寝過ぎ。
食後だらだらと過ごしたあと、DVDで『エイリアン』(amazon)を観る。『エイリアン』はかなり好きな映画なのだが、意外に観るの久しぶりだった。『エイリアン』は面白いとは思っても感動する映画ではないと思っていたのだが、最後泣いてしまった。まさか『エイリアン』で泣くとは思わなかった。
夕方、『陋巷に在り 8 冥の巻』(酒見賢一 新潮文庫 bk1/amazon)を読む。ようやく読了。面白かったけど、いいところで8巻が終わってしまう。非常に気になるのだが、9巻がいつでるのかわからなくて待ち遠しい。もう単行本で完結しているのだが、文庫がでないと単行本で最後まで読んでしまうかもしれない。その歯止めは、未読の購入本がたくさん手元にあることだけだ。
夜、出かける。大宮にブックオフができたのをこの間知ったので、ちょっと行ってみようと思ったのだが、その途中行きつけの古本屋に寄ってみたら閉店セールをやっていた。あまりにタイミングがいいので、もしかして、ブックオフができたことによる影響だろうかと思った。閉店セールとして全品50パーセントオフだったので、単行本ばかり3冊買った。在庫がある程度捌けるまでまだ開いているらしいが、50パーセントオフってどうなんだろう。儲けがまだあるのだろうか。
続いてブックオフに行ってみて驚いた。単行本も100円で売っている。100円コーナーというのが、一角ではなくてかなり広い場所をとっている。これじゃあ、さきほどの店が閉店するのも当然のことだと思う。しかし、それ以上に危機感を感じたのは、これじゃ新刊本は売れないんじゃないかということである。まだ最近でたような本が100円で売られていたら誰も新刊本を買わないんじゃないかと思う。ちょっと愕然とする。
DVDコーナーを覗いてみたら、DVDはやはり劣化がないせいか、そこそこ高い値段で売られていた。ブックオフとは話がズレが、映画もWinMX等で流れている。WinMX等で映画や音楽を取るのは、法律でどうこういう以前の問題として危機感を感じている。ブックオフの値段とかみたらそういうことを思い出した。
音楽は繰り返し聞くことが多いので、WinMXで集めた音楽を聴いて本当に好きならCDを買うというのもある。しかし、映画などがWinMXで落として観られるようになると、それで終わりそうである。もちろん音楽だって、WinMXで取り込んでしまってそれっきりという人の方が多いだろう。まだWinMXについては、そういうことが好きな人の間で広まっているにすぎないかもしれないが、ブックオフはごく普通に一般の人たちの間で利用されていると思うのが恐ろしい。このままだと、結局ただ大衆に「売れる」本だけが売れるようになってしまうんじゃないか。
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孔子の弟子顔回が活躍する伝奇歴史小説の第8巻である。子蓉という媚術を使う女呪術師との戦いがいよいよ終盤に差しかかる。当初、子蓉は何人もいる敵のうち一人で魅力的な脇役の一人程度に思っていて、これほど長い対決が続くとは思っていなかった。しかも対決が続くだけではなく、本巻での重要なシーンへ導く役目を果たしていて、『陋巷の在り』全体で実はかなり重要な人物であったと認識する。
前巻に引き続き、媚術に蝕まれた、を救おうとする話であるが、タイトルに「冥の巻」とあることから想像がつくように、顔回は死者の国<冥界>へと降りていく。そこで描かれるのはスーパーヒーロー顔回ではない。神の前には微力な存在でしかない人間として描かれ、冥界に行くだけでも大変な苦労をする。神話などに冥界から死者を連れ帰る話はいくつかあるが、そこでも試練は描かれているとは思うがここでの描写はそれらと較ぶべくもない。あるいは、神話で簡潔に書かれた試練を、生者の行くべきではない世界に行くことがいかに想像を絶することであるかと描きこんでいるといってもよい。何しろ1冊丸々が冥界へ赴くエピソードに費やされているのである。
ここで酒見賢一のすごいところは、その描きこみの中で作者自身が顔を覗かせて語り出す部分があるのだが、そこでこれが作り話であると言い切ってしまうところである。その上で、<気>について語り、生死について語り、神話について語る。様々な中国の歴史について引き合いに出す。それらを元に、これは作り話だといいながら、話に厚みを持たせていく。おかげで読者は安心して物語の中に入り込んでいける。
最初に書いた、子蓉が重要な人物であったと認識したというのは、顔回がここで遭遇するある試練−−問答が非常に重要だと思われるからだ。孔子があまり語ることのなかったという仁や天命についての議論は、『陋巷に在り』における『カラマゾフの兄弟』の「大審問官」にもあたる重要な場面と思われる。その割に顔回の心は揺れ動かされるばかりではっきりした答えがあるわけではないのだが。次巻に持ち越される話の中で、その答えが出てくるのであろうか。
今更いうまでもないが、非常に良質な物語である。困ったことに、肝心な処で話は終わっていて、早く次の巻を読みたくなるのが欠点である。とはいえ、それは良質の物語である証拠なので欠点とはいえないのだが。
[ 『陋巷に在り』8 冥の巻 酒見賢一 新潮文庫 (bk1/amazon) 2003/02/08 ]
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今日もまた昼頃起きる。食後、DVDで『エイリアン2 完全版』(amazon)を観る。久々に観たら、ほとんど憶えていないくて驚いた。エピソードによっては、観ているうちに、「ああ、そうだ。こんなシーンあった」などと思うのだが、それだけだった。それで、久しぶりに観て思ったのは、意外とつまらなかったという感想。元々『エイリアン』がものすごく好きだったので、アクションものになった2作目の方は、1作目にはかなわないと思っていた。しかし、こちらは「アクションものとしてはやはり面白い。さすがジェームズ・キャメロンだ」等と思っていたはずなのだが。1作目と続けて観てしまうとやはりその差は大きいか。それと映画館の画面で観るのと、テレビの小さな画面とでは違うけれど。
もっとも、1作目はつまらないという人が結構いるのは知っている。たぶん観ている視点が全然違うのだろうから、これについては特に書くこともない。
そのあと、『陋巷に在り 8 冥の巻』の感想を書いてアップする。
『陋巷に在り』に寄り道して止まっていた『スーパー・カンヌ』(J.G.バラード 新潮社 bk1/amazon)だが、今日こそ読み終えてしまうつもりでいたのに今日も読み終わらず。昔懐かしい『ハイ-ライズ』をパラパラ読み流すが、高層ビルを舞台にしているだけで似たような世界という気がした。ちなみに、『ハイ-ライズ』は在庫切れで今は手に入らないようだ。bk1やamazonで調べた限りでは少し前に映画になった『クラッシュ』の原作ももはや出てこない。
夜、『羊たちの沈黙』をテレビでやっていたので、途中から観る。もう一度ちゃんと観直したいと思った。
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休日の狭間の平日なので、仕事を済ませたら速攻遊びに行こう。映画をもしかして2本くらい観られるんじゃないかなどと、いろいろ夢見ていたのだが、実際には晩飯も食べずに0時半の帰宅。コンビニで買ったパンをビールで喉に流し込みながらWebを見る。なんかおかしい。こんなはずじゃなかったのに。
『スーパー・カンヌ』(J.G.バラード 新潮社 bk1/amazon)を読み終える。残り数ページなので、出かける途中で読み終えてしまい、帰り道に手持ち無沙汰になると困ると思い、『霊玉伝』(バリー・ヒューガート ハヤカワ文庫 FT bk1/amazon)を持って出たのだが、家に着いてもまだ『スーパー・カンヌ』がわずか残り6ページとはいえ、まだ読み終わっていなかった。なんかおかしい。こんなはずじゃなかったのに。
今日見て興味があるサイト、ちょっと面白かったサイトなど。
ブレイブ・ストーリー
期間限定で、「宮部みゆき新作長編刊行記念サイト」と銘打って公開。情報源:exciteブックス
OMA 2002
略さないと、「Online Movie Awards 2002」で、オンラインによる2002年ベストムービーを決定する企画。投票してみるか。
Poppetjesfabriek
単純に面白い。ディレクトリを上に上がっていったら、もっといろいろあったけど、とりあえず情報源に敬意を表してここを紹介。情報源:ネコにテルミン 2/10
あと、うたかたメモにメモって置いた関心空間リンクは左ナビに移動。
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スーパー・カンヌという実在の場所だが、最新のビジネス都市と化した近未来を舞台にしている。単なるビジネス都市ではない、ビジネスエリートにとっての理想郷なのである。ここで働くビジネスマンたちはオフィスにいるときに仕事に専念できる快適な環境が用意されている。高級住宅に帰るのも、シャワーを浴び、睡眠をとるためだけなのだ。自主的な警備員達と至る所にあるカメラで監視されたこのビジネス都市では犯罪は起こらないはずだった。
この都市に「ぼく」が妻のジェインとともにやってくることから物語は始まる。ジェインは、スーパー・カンヌで足りなくなった医師の後任としてやってきたのだ。前任の医師は、この完璧なはずのビジネス都市で銃を乱射して何人もの人を殺していた。飛行機事故で足を痛めてた「ぼく」は昼間の退屈を紛らわすことが半分、前任の医師の謎めいた行動の理由、そして拭いきれないビジネスのユートピアに対する疑問などを抱えて、事件の真相を追うのだった。
ここで描かれる都市はどこか歪んでいる。カメラで監視された社会といえば『1984年』を思い出すが、監視され制限を受けるわけではない。表向き本当に理想的な社会のようにも見えるのだ。しかし、何か違和感を感じながら主人公とともにこの世界を動き回るうちに、裏側の世界が顔をだす。それからが俄然面白くなってくる。
面白いのはミステリー的な謎を追う興味もあるけれど、むしろこのビジネス都市にある奇妙な論理に主人公が時には反発し、時には取り込まれていくことで、人間の心理を暴き出していくからだろうか。性悪説的な、人間には必ず暴力的な欲望があるような描写は、J.G.バラードの得意技といっていいだろう。ある程度否定できないものの必ずしもそうは思わないのだが、バラードの物語を読んでいるとまさにそれこそが人間の本質のように思えてくる。
役者あとがきによれば、結末に対して「英米の読者は、そうくるか!と膝を叩いた人と、これはどういうことだ!と激怒した人に分かれ、その中間はあまりいなかったらしい」という。ぼくは前者であったが、膝を叩くということはなかった。バラードのもつある種諦めたような世界観からすると、この結末はある種予想通りという気がしたのだ。しかし、この結末で終わることで読者は希望を持つことができるような気がする。何かが変わるかもしれないという希望を持つことが。
[ 『スーパー・カンヌ』 J.G.バラード 新潮社 (bk1/amazon) 2003/02/10 ]
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トップページのレイアウトを変更。うたかたメモを再び右エリアにもってくる。画面サイズを800x600くらいにしているとちょっと狭いのだが、あくまでここはメモ書きとして使ってあまり長い文章を書かないようにすれば我慢できるだろう。いまはちょっとごちゃごちゃしすぎている。
最新1日分の下に、このページをはてなアンテナに追加するリンクをつけたりとか、細々小さな修正をしていたら、はてなアンテナの更新に引っかかってしまった。「うたかたの日々」が更新されたと思ってきた方申し訳ない。一応、日記最新部分が更新されたときのみ、アンテナに引っかかるようになっているはず。
一休みしてお茶を飲みながらテレビを漫然と眺めていたら、『ショコラ』をやっていた。ジュリエット・ビノシュって好きなのだが、この映画では随分歳をとった感じがした。ヘアスタイルとか化粧のせいもあるのだろうけど。
夜、ジェニファー・ロペス主演の『イナフ』を観に行く。全くこの映画についての情報を持ってなくて、映画の看板にある花嫁姿の写真などを見てちょっと重めの愛をテーマにしたような映画なのだろうかと思った。ぴあを確認してみると「暴力を振るう夫に離婚を覚悟したのだが」のような説明があり、ああやっぱりそういう系統かと納得したのだった。しかも、ジェニファー・ロペスって今ひとつ印象がはっきりしてなくて、ペネロペ・クルスと混同していて、ペネロペ・クルスの顔は判るのだが二人の名前がごっちゃになっている。映画館の看板を見てペネロペ・クルスじゃないと理解する次第。そのかわり、ジュリエット・ルイスが出ていることに興味を持つ。ジュリエット・ルイスってデビュー当時かなり活躍していて魅力的だったのに最近ほとんど見かけない。
そんなわけだから、映画のチケットを持ってなければ観なかっただろう映画だが、観て驚いた。始まりはラブロマンス映画的に始まるが、途中から一転サスペンス映画に変わる。評価をつけがたい映画。決してすごい映画ではないのだが、妙にいろんなところに感心してしまった。
続いて『夜を賭けて』を観る。新宿梁山泊の金守珍の初監督作品である。前にDMも届いていて気になっていた。ただ、金守珍が映画を撮って、映画も芝居と同じように面白いだろうかという心配があった。特に、新宿梁山泊のような芝居と映画はだいぶ違うんじゃないかと思ったのだ。しかし、そんなのは杞憂ですごく面白かった。というか、芝居をそのまま映画に持ち込んでる。芝居はテントという空間の中で観るからその嘘っぽさが気にならない、映画でそれをそのままはできないと思っていたのだが、映画にあの芝居のパワーを持ち込んでいる。しかも、新宿梁山泊の見慣れた団員の面々が活躍していてなんていうかもう痛快だ。面白いという言葉はテーマが重いので適切でないのかもしれないが、面白く観た。
『イナフ』と『夜を賭けて』の感想を簡単に追記。
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離婚をテーマにしたまじめなカンドー系の映画かと思って、あまり気が進まないまま、チケットがあるので観てみたら、あっと驚いた。最初はラブロマンス風に始まって、結婚、幸せな生活、と続いたあとで、突然訪れるドメステイック・ヴァイオレンス。ここまでは予想通りだったが、そこからサイコ・スリラーめいた展開になるのだ。
これ以上書くと何を書いてもネタバレになるので、あまり書けない。興味を持ったらあとは読まずに観た方がいい。別にものすごくいい映画というわけではない。思わず快哉を叫ぶような展開もある。意外性の集まりなのである。それが何を書いてもネタバレになるということなんだが。
巨大な悪の組織とかなしに、ドメスティック・ヴァイオレンスにサイコ的要素がからまって、日常に潜むサスペンスを描く。しかしひたすらサイコ的恐怖に脅えるサスペンス・ホラーのような展開ではおわらない。追いつめられたジェニファー・ロペス扮する主人公の行動が快哉を叫ぶような意外な展開をする。サイコサスペンスからアクション映画に変わるのだ。そして、最後は反撃を開始する。このあたりで、そんなにうまくいくかというのと、急にミッション・インポッシブルのプロフェッショナルのようなスキルがつくのか、という突っ込みどころはいっぱいなのだが、アクションもの的な展開に持ち込んでしまう。これであと踊りと歌を入れて3時間まで長編化したらインド映画も真っ青という盛りだくさんな展開。
最後までサイコ・サスペンスで通した方がキリッとまとまりのある作品になったはずで、ちょっと欲張りすぎで散漫な感じは否めない。しかし、展開の意外性が面白くて絶賛できないのだけれど、すごく気になってしまう映画である。
[『イナフ』 監督マイケル・アプテッド 新宿武蔵野館 2003/02/11]
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新宿梁山泊の金守珍の初監督作品である。映画と芝居は違うから、芝居で成功していても映画は失敗作ということもあるだろうと少しばかり心配していたが、面白い映画だった。
面白かったのは、芝居と映画をうまく切り分けて、映画という違うジャンルでも成功したというのではないところである。映画に梁山泊の世界を持ち込んじゃった。それでいて、テントの空間の中でしか通じないと思っていた嘘や遊びやふざけた世界が、映画の中で息づいているという面白さなのである。
テーマは重い。朝鮮人に対する日本人の差別などが繰り返し描かれる。そういう時代だったのだというだけではすまない重さがある。その一方で、無茶苦茶生きることに貪欲で元気のある姿が描かれて面白く、元気づけられ、楽しく観られた。
こういう映画に対して、面白いという表現は適切でないのかもしれないが、でも面白いと心から言える映画だった。いやー、ほんとに面白かった。
[『夜を賭けて』 監督金守珍 新宿武蔵野館 レイトショウ 2003/02/11]
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4時頃寝たので睡眠時間は今日も3時間ちょっとなのでやっぱり眠い。休日に寝だめしていると思ったが、よくよく考えると8時間程度で寝だめというほどは寝ていない。
昨日から、『霊玉伝』(バリー・ヒューガート ハヤカワ文庫 FT bk1/amazon)を読み始めた。まだほんの少ししか読んでいないが面白い。ただ、やっぱり読みにくいのは、翻訳文に癖がありすぎという気がするのだが。
この『鳥姫伝』(bk1/amazon)のシリーズは三部作なのだが、『霊玉伝』を読み終えたらしばらくまた待たされるのだろうと思っていたのだが、三作目の『Eight Skilled Gentlemen』も7月刊行が決まっているらしい。(早川書房のサイトにある「各担当編集者こだわりの1冊」参照。)
友人の薦めで、今ひとつピンとこないまま始めた関心空間だが面白くなってきて、一気にキーワード追加。「うたかたの日々」と「うたかたメモ」、それに「掲示板」に書くことの違いというのは自分の中では分けていたつもりなのだが、これに「関心空間」が加わったらだんだん訳が分からなくなってきた。昨日観た映画の話を「関心空間」に書いたのだが、結局それはそのまま「うたかたの日々」の映画感想になってしまったからだ。(アップしようとしてから文章をいじったけど。)
しばらく考えていたのだが、「関心空間」の方はコメントをつけたり、リンクをつけて広がっていくという気がしたので、書き込み自体、完成したものではなくて、文字通り「関心のあるもの」について何でも書いちゃえ、ということにした。そう思ったら、いくらでもキーワード登録できるようになった。あと、映画の感想などはサイトの方で書くだろうから、映画タイトルではなくて、関心のある「人」とか「もの」を中心にキーワード登録したらどうだろうと思った。監督、俳優、あるいは映画の中の題材とか。関心空間に書くのは映画だけじゃないんだけど、映画を例にとっていうとそんな感じ。
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関心空間 露地温の空間に昨夜もどんどん追加する。
「感想」という掲示板的なやりとりをするインタフェースで反応があったのは、『イナフ』と『CUBE2』とウィノナ・ライダーの3つ。感想ではなくて、リンクという形での反応が他に少し。1日ですぐにそういう反応があったり、クリック数も表示されるのだが、一晩で100クリック以上されているので結構露出度は高い。
リンク先や、感想を書いてくださった方の空間を見に行くと、見事に似たような趣味が見えてきて面白い。情報が集まったらいいなぁと思っていたのだが、むしろ似たような趣味の人のキーワードを追って、新しい世界が見えて来るという感じ。いろんな人の情報と繋がっていくところが面白い。
昨日も書いたけど、「うたかたの日々」との使い分けははっきりしていて、「うたかたの日々」に書く以前の興味関心レベルはどんどんメモしておこうと思う。内容としてまとまるようなら「うたかたの日々」にも書くし、リンクも張っていく。ただ、「うたかたの日々」とはいいけれど、掲示板との差別化は微妙になってくる。掲示板との差別化は違うサークルの集まりみたいに思えばいいのかも。
関心空間にいろいろ書くことで、昨日今日あたりは、映画を観たいという欲求がすごく高まる。あれも観たいしこれも観たいしという感じでもう大変。
今朝の電車の中吊りで、『象と耳鳴り』の文庫化を知る。bk1にはもう書評がアップされているので、発売は昨日今日ではないようだが。その書評によれば、『六番目の小夜子』のキャラクターが登場しているらしい。そうだったのか。
螢のサイトによれば、新しいアルバム『螢』は音源収録と写真撮影は完了したが、ブックレットの制作・印刷等で完成が2月末に延びたという。1月末完成と聞いていたので、注文したアルバムはそろそろ届くかなと楽しみにしていたのだが、残念。
『象と耳鳴り』と螢新アルバムの話はどちらも「関心空間」に書いたことの繰り返しになってる。「うたかたの日々」の使い分けははっきりしていると書きながら、これじゃ使い分けにならないなぁ。困った。
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関心空間 露地温の空間に今日もがんがん登録。インターネット書評が大反響。よくよく考えたら、この元ネタはBeltorchiccaだった。Beltorchiccaがよく読まれているのは、やっぱり琴線に触れるような発言やネタを持ってるんだなぁと思った。
感想に関係なく、新しいネタ(僕にとって)は次あたり。
『エルミタージュ幻想』。『Trapeziste』(カヒミ・カリィの新譜)発売。『blue』という映画公開。
と、これだけ書いたあと、死ぬほど眠いので寝てしまった。関心空間のリンクだけしかないじゃないかと思ったので追記する。
昨日の最後が関心空間に書いたことの繰り返しになってしまって、使い分けてるはずが使い分けられてないという問題は、上みたいに内容は引かずにリンクのみする方向で考えている。ま、使い分けないのが問題なのかどうかという議論もあるのかもしれないが、メーリングリストのダブルポストなんかと同じで、あっちにもこっちにも同じことが書かれているとうんざりするというのはあると思うので、分けた方がいいだろうと思っている。逆に情報は分散してしまうわけだが、リンクさえしておけばいいはずだ。
基本的には、Webブラウジングでは、リンク一つで情報をつなげられるのだから、なるべる個々の情報はプリミティヴなエレメントにしてそれをリンクし合う方がよい。とか書きながら、関心空間自体がそういうふうになってるんだなと感心する。サイトを改装する度に思うのだが、コンテンツをきちんと分類して階層化したくなる。でも必ずしも一つに分類できないために、単純な階層ではなくて複数のカテゴリでインデックス化したくなる。そしてWebのインタフェースならそれは可能なんだよな。もちろん、コンテンツとリンクをどう維持していくかは問題だけど。最初から階層化など考えずに、相互がリンクし合うという関心空間のような形態の方がWeb的には面白いのかもしれない。自分のサイトでは、ずっと更新していない「露地苑」がそれに近いものを考えていたのだけれど、静的HTMLでやることの限界にぶつかって、保留状態になっている。システム化することで、そろそろ更新したいと思っているのだけれど。
結局、整理され分類されたHTMLを書くのはそれほど苦ではないが、相互に関連する情報をリンクし合うようなHTMLを書くこと、その状態を常に最新に維持していくことは静的HTMLでは無理な話である。そもそもblogが話題になったりするのも、相互のリンクが簡単にできる仕掛けを持っていて、誰でも簡単に書き込めるからだけなんじゃないかと最近は思い始めた。はてなアンテナやはてなダイアリーが(少なくとも僕の周りでは)最近盛り上がってるもそれだけの理由じゃないか。
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昼頃起床。食後、「うたかたの日々」を書く。昨日、ものすごく眠くて、途中まで書いて寝てしまったので。
食後、このところ夢中の関心空間へのアクセス。感想に返信したり、キーワードを追加したり。昨日一番人気のインターネット書評はいまだにクリック数がどんどん増えている。一日で300クリックくらいいってしまいそう。
DVDで『エイリアン3』を観る。それから外出。食事をして、今日から公開のウィノナ・ライダー出演の『Mr.ディーズ』を観る。行き帰りの電車では『霊玉伝』(バリー・ヒューガート ハヤカワ文庫 FT bk1/amazon)を読む。3分の2くらいまで読む。やはり最初は取っつきにくいのだが、一旦面白くなり始めるとぐんぐん読み進む。ぐんぐんとかいいつつ、あんまり進んでいないが、それは読んでいる時間が少ないから。
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随分前にamazonで注文したが取り寄せに時間がかかってなかなか届かなかった『SUNTRY OOLONG-TEA CM SONG SELECTION〜烏龍歌集〜 』がようやく届く。これは旧作の方で、新作の『Chai』の方はまだ届かないと思ったら、注文してなかったようだ。もうごちゃごちゃ。早速、今日のBGMは『烏龍歌集』を聴いている。いいよ、これ。
午後、DVDで『エイリアン4』を観る。これにて、『エイリアン』シリーズ再鑑賞フェア完了。完了とかいって、もう観ない訳じゃなくて、また繰り替えし観るんだけどさ。とりあえず、間に数日あいているとはいえ、4作連続でまとめて観てみたら、4作バラバラに作られたはずなのに、思ったよりコンセプトが見えてくるようなところがあるなぁと感心する。
しつこく関心空間にキーワードを追加する。もうしばらくすると飽きてくるだろうから、それまでがんがんキーワードを追加して、あとは定期的にチェックって感じになるだろうか。昨日から今日にかけては好きな本屋をキーワード登録してみる。本屋についてはすべてのキーワードに感想がついた。本屋が好きな人がいろいろなコメントをくれて嬉しい。「インターネット書評」に続き、同じくインターネットネタの「インターネット冷蔵庫」が本日の大当たり。とかいって、書き込みしている人は同じ人たちなんだけど、でもこんな風に反応があると面白い。サイトの掲示板も同じくらい気軽に書いて欲しいのだけど、ほとんど書き込みないからね。
夕方、渋谷に出かける。クラブ・クアトロで原マスミのライヴ。今日はバンド編成のライヴで、バンド編成のライヴは1年ぶりくらいだろうか。カヴァーだけど、新曲を2回目のアンコールで弾き語りした。新曲を歌ったりするんだから新しいアルバムを作って欲しい。もうすでにアルバム1枚じゃきかないくらい曲があるはずなんじゃないのかな。あと、CDも再発してほしいなぁ。マグカップばっかりつくってないで、アルバムを。
ライヴ会場では、ライヴのときにしか遭わないMさん今日も遭い、「あー、なんとかさん」と声をかけられる。お互い名前をちゃんと覚えていないので名前を言い合ったりして、「あ、そうだった」と確認。ワツニュのU5さんともお会いして、久々なのでいろいろ話をする。ライヴのあとには一緒に食事をして、サイトの話とかいろいろ話して帰る。
行き帰りの電車では『霊玉伝』(バリー・ヒューガート ハヤカワ文庫 FT bk1/amazon)を読む。なんて入り組んで複雑な話なんだろう、一体そもそもの発端はなんだったっけと思うのだが無茶苦茶面白い。そのわりに、面白い面白いというばかりで進まないのは電車に乗ると眠くなるから。そんなことばっかりいってるな。
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