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2007年6月後半
芸能人の結婚なんて大した関心はないのだが、宮崎あおいの結婚にはあまりに現実感がなくて不思議と書いておきたくなった。
現実感がないのは、だっていつだってまだ少女だと思っていたから。去年公開の『初恋』だって三億円事件犯人の女子高生だし、『ただ、君を愛してる』は大学生になってたかもしれないけど、常に幼いイメージで、結婚ってイメージが湧かなかった。
結婚相手の高岡蒼甫って誰だかわからなかったが、Webで検索したら先日観た市川準監督の『あしたの私のつくり方』で文芸部顧問の先生を役であり、『パッチギ!』のアンソン役だった。対照的な役で、同じ人物とは気づかなかったが、そんな役者振りが宮崎あおいの相手というのはすごく頷ける。
宮崎あおいを意識して注目しはじめたのは、テレビドラマの「青と白で水色」(2001年)からなので、もう6年も経っている。そりゃ、少女も大人の女性になるわけだ。
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ちょっと忙しくしている間に「東京小説」乙桜学園祭がユーロスペースで2週間限定上映していて、ちょうど昨日で終わっていたことを知った。
桜井亜美と乙一がそれぞれ監督として映画を撮ったオムニバス映画らしい。桜井亜美は「人魚姫と王子」、乙一は「立体東京 3D-TOKYO」という作品を撮っている。ちなみに乙一は監督名としては乙一ではなく、足立寛高という名前を使っている。
乙一の熱心な読者ではないけれど、乙一が監督として映画を撮ったというとちょっと観てみたいではないか。しかも出演者に、泥棒/滝本竜彦(『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』)、男/佐藤友哉(『フリッカー式』)とかいるんだけど。
何でこれ話題になっていなかったんだろう。話題になっているのに、気づかなかっただけか? とほほ。
追記。あまりYou Tubeとか、リンク貼るの好きではないのだが、「東京小説 乙桜学園祭」の予告があったのでリンクしてみる。
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昨日飲んだ影響で午前中は機能停止。午後からゆるゆると活動開始。まずは、DVDレコーダーの空き領域確保で、HDからDVDに焼く。録画の消化はなし。観ずに焼いている映画もある。焼いてしまうとなかなか観ないので、やっぱりドラマを見るのをやめるべきなのかもしれない。
なかなか進まない『ブロークン・エンジェル』(リチャード・モーガン アスペクト)を読み、下巻に入る。このところ忙しかったので、集中して読めなかったのと、世界観が刺激的ですぐにいろんなことを考え始めてしまうのが集中力を欠く原因にもなっている。
今日だけでも、読んでいて思いついたことをメモしたことが手帳に2ページ。
これは『ブロークン・エンジェル』が特別なのか、単に最近SFを読んでいないからだけなのか。アニメ「電脳コイル」でも似たような感覚になる。こちらはアニメなので、そのまま受け身に物語を受け止めるが、いろいろと刺激を受ける。大抵、一回観たあとに確認のために一部を見直してしまう。
どちらもそれだけの魅力があるとは思うのだが、もしかして単にこのところSFに触れていなかったため、刺激的に感じるのだろうかという疑問も少し感じている。これを機会に、SFを選んで読んでみようかと思う。
夜、「風林火山」を観る。大河ドラマはいつも途中まで観ていても、年の半ばくらいで観なくなったりする。今のところ、欠かさず観ている。観るともなく観ているのは「冗談じゃない」。一回目を観て、観ないでいいやと思ったのだが、テレビが付いていて観るともなく見たりしている。
さて、仕事に一区切りついたので、明日からはちょっと余裕のある生活が戻ってくるかも。
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困ったちゃんプロジェクトが終了して、今日から失業モード。しかし、プロジェクト反省会などあって、猿よりましな反省会をしたのだが、もう参加者の顔が反省とはほど遠い笑顔。ずっと、難しい顔しか見てなかった人たちの笑顔を見て、かなりしんどいプロジェクトだったんだなぁと他人事のように思っていた。参加の仕方が、僕らチームはちょっと違っていて、ほとんどの人はタコ部屋に入れられて黙々と仕事をするという、それはそれは想像力のない人にも辛いことがひしひしと伝わるようなプロジェクトだったのだ。
反省会のあとには、ささやかな飲み会とかあるのかと思ったけどなかった。
だからというわけではないが、モルツで喉の渇きを抑えたあと、成城石井で仕入れた一耕を飲む。あー、なんとも幸せである。日本酒飲みながら、本だけ読んでいられたらもう何も要らない。というわけで、読書系日本酒友の会とか作りたいな。本の話をしながら日本酒をちびちび飲むのだ。酔った勢いで、今読んでいる本をバッサリ斬ってみたり、祭り上げてみたりしながら、ぐびぐび飲んで、支離滅裂になりながら、べろんべろんになって、こいつは泣けるぜとか人生変わったとか好きな本の話をして、ぼろぼろになったりするのだ。なんか愉しそう。
ギネスもヴァランタインもマッカリも泡盛も焼酎もいいけれど、読書系飲み会はなんか日本酒のような気がする。
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スパルタの国にペルシア王クセルクセスの使者がやってくる。服従を求めるペルシア王の言葉を伝える使者を、スパルタ王レオニダスは殺してしまう。膨大な力を持つペルシア軍と戦うための策はあったが、スパルタ王ですら従わなくてはならないという神託は、戦いを認めなかった。
レオニダスは、精鋭300人を集め独自にペルシア軍を迎え撃つのだった。
というわけで、あとはひたすら殺戮、戦いの連続。顔のアップでは毛穴まで見えそうな、独特の質感のある映像で全編が描かれる。また戦闘シーンでは、スローモーション、ストップモーション、通常のスピードと切り替わりながら、戦う肉体の美しさを見せる。
殺戮の連続なのに不思議と悲惨さはない。最近の戦争ものの悲惨さなどとは無縁で、むしろスポーツに近いような雰囲気である。
ただ、その映像美だけで出来た2時間の映画だ。
原作なんてないと思っていたら、実は『シン・シティ』のフランク・ミラーのグラフィック・ノベルが原作だった。
[ 『300』 監督・脚本: ザック・スナイダー 出演ジェラルド・バトラー 新宿ミラノ2 ]
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『オルタード・カーボン』で狂喜乱舞させてくれたリチャード・モーガンの2作目にして、『オルタード・カーボン』のタケシ・コヴァッチが再び登場すると聞いたら、前作を読んだ人には説明不要で、もう読むしかない。そして、一作目のレベルを期待していいのかという答えに対しては、十分期待に応えてくれると言いたい。
前作を読んでいない人は前作を読んで貰うとして、前作を読んでこれから『ブロークン・エンジェル』を読もうという人は「期待していい」といわれればそれ以上のコメントは不要だろう。ということは、ここから先は『ブロークン・エンジェル』を読んだ人だけが対象でいいわけだ。いや、もしかしたら『オルタード・カーボン』は読んでないのに、『ブロークン・エンジェル』を買っちゃった人とか、別に読む順番はどうでもいいから『ブロークン・エンジェル』の話を教えろという人もいるかもしれない。
確かに、『オルタード・カーボン』と『ブロークン・エンジェル』は同じ人物を主人公にしたサイバーパンクではあるが、前者はハードボイルド、後者は冒険小説という違いがある。サイバーパンクSFとミステリや冒険小説をミックスした新しいジャンルのような物語ではある。
一応、紹介しすぎない程度にストーリーを紹介してみる。
我らが主人公タケシ・コヴァッチは、機甲部隊中尉として内戦状態のサンクション系第四惑星で戦っていたが、負傷して病院で目を覚ます。そのとき隣のベッドにいた男、シュナイダーから火星人の遺物を巡る「うまい話」を持ちかけられる。時は27世紀、人類は地球から遠く離れた宇宙まで進出しているが、その背景には火星人の遺物を利用した宇宙航法を利用できたからだ。生きている火星人には人類は未だ出会ってなく、滅亡したのかさらに遠い宇宙へと移住してしまったのかさだかではない。その火星人の新たな遺跡が見つかったのだ。
機甲部隊から抜け出して、コヴァッチとシュナイダーはその遺跡の鍵を握る女性考古学者を強制収容所から助け出す。そして、商社の重役マルシアス・ハンドを巻き込み、遺跡発掘の資金とその冒険へのメンバーを調達する。
この時代、人はスタックというメモリに記憶を保存することができるようになっていて、スリーヴという肉体を着替えれば肉体の死から開放されている。死と隣り合わせの軍人は、肉体的に死んでも脊髄に埋め込まれたスリーヴさえ無事なら新たなスリーヴを得ることで再び生を得られる。またバックアップをとってあれば、スタックが破壊されてもバックアップされたスタックから再び生きることが出来る。
マルシアス・ハンドによって調達したのは、戦争で肉体的に死んだ軍人のスタックの山から探し出した精鋭の軍人たちだ。ヴァーチャル空間で面接をして選んだ強者たちにスリーヴを与えて甦らせ、コヴァッチたちは火星の遺跡へと向かうのだった。
というわけで、シチュエーションは特殊だが、辺境の地へ向かう冒険小説の体をとっている。火星の遺跡には数々の謎があり、また遺跡を狙う別の集団もいるようで、メンバーを集めるまでにも激しいアクションも展開する。しかし、やっぱり僕が一番やられてしまうのは、前作でもそうだったのだが、サイバーパンクのこの舞台設定である。スタックとスリーヴ、ヴァーチャル空間の描写、そんな設定が一々刺激的で、読みながら考えていることがその設定につられて脱線していって、面白いのに物語に集中できなくなってしまう。脱線して考えたいろいろを手帳にメモしていたら、酷いときには手帳に2ページ近く書き込みをしてしまった。
そういう見事なサイバーパンクでありながら、前作でハードボイルドだったようにミステリ要素も欠かせない物語になっている。今回は冒険小説の体をとっているが、最後にはバッチリ逆転する物語の展開が待っていて、謎解き的な話もある。タケシ・コヴァッチが一種の探偵役なんだと思った部分があるのでちょっと引用しておく。
タケシ・コヴァッチは特殊技能をもつ「エンヴォイ」という特命部隊に所属した過去があるが、そのエンヴォイにまつわる神話を聞かされて答えるシーンである。
「エンヴォイが持っているのは直感補強システムだけだ。わかるだろ? 外に出るのに、そのとき別に天気が悪くなかったわけじゃないのにジャケットを羽織る。するとしばらくして雨が降る。それはどういうことなのか」(上 p.333)
「運」なのかと聞き返す相手に答えて、次のようにいう。
「だけどそれより可能性があるのは、自分では気づいていない心と体のシステムが意識下で環境測定をして、超自我プログラムを通じてメッセージを送ってきたということだ。エンヴォイの訓練とはつまるところそれなのさ。超自我と意識下との調和だ。信頼など関係ない。何か心の底に横たわっているものだ。超自我と意識下を結びつけ、それに基づいて真実の骨格をつくる。そのあとまたそこに戻ってギャップを埋める。有能な探偵や刑事は誰の助けも借りずに何世紀も昔からやっていることだ。それを超拡充させたヴァージョンと思ってくれればいい」(上 p.333)
タケシ・コヴァッチシリーズは続編が書かれていて、アスペクトの作品紹介ページによれば、「第3作『MARKET FORCE』(アスペクト版権取得済)、第4作『Woken Furies』を刊行。いずれも好評を博し、熱狂的なファンを獲得している。現在、第5作『Black Man 』を執筆中」ということなので、続々と続く作品を読めることを期待している。
[ 『ブロークン・エンジェル』 リチャード・モーガン アスペクト ]
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6時起床。朝風呂、朝食、久々の満員電車に揺られて出かけ、お勤めを果たす。プロジェクトの総括があり、終わって急ぎ映画館に向かうが5分差で『しゃべれどもしゃべれども』に間に合わない。いや、予告編があるだろうから間に合わないこともなかったのだが、まあいいかぁと思って帰宅。腑抜けめ。
でも、明日の夜打ち合わせが入りそうでそうすると近場の映画館では上映終了になってしまい見逃しかもしれないのだった。
レイトで何か観ようと思っていたが、ビールを飲んでのんびりしていたら居眠り。気がついたらそろそろ出かけないと間に合わない時刻。まあいいかぁと思って、出かけないついでに日本酒を飲む。今日は飲まずに映画を観に行こうと思っていたのに、腑抜けめ。
日本酒を飲んだら本格的に眠くなってしまって、本格的に居眠りしてしまう。腑抜けめ。
『中庭の出来事』(恩田陸 新潮社)を読む。ほんの50ページ足らず。腑抜けてるなぁ。悲しくなってくる。
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朝、僕の乗った電車のあとからどうやら遅れが発生していた模様。夕方、恵比寿に所用で出かけ、帰るときに乗っていたた電車がしばらく一時停止したりしていたが、赤羽で乗り換えると遅れていた電車がやってきて、非常に乗り継ぎがよく順調に帰宅。不運といえば、恵比寿でビールを飲めなかったことくらいか。
mixiでなんか大変だったらしい話を読んだと思ったら、メールまで届いたりして、何かすごいことがあったのかと今asahi.comを見ながら日記書き。今日利用した路線が半日止まってたと知る。全然知らなかったよ。非常に平和な一日だった。
読書は『中庭の出来事』(恩田陸 新潮社)を引き続き読む。
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『時をかける少女』地上波テレビ放送だって。劇場で見逃したんだよね。大林監督版が前日の深夜放送とか。角川春樹版とか、少年ドラマシリーズ版とか、連続してやったらどうだろうね。
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ベッドで『中庭の出来事』を読んでいたはずなのだが、気がついたら寝ていた。6時半なのでそのまま起床。ソファで目を覚ますと、起きる気にならないが、とりあえずベッドで寝てると起きようという気になる。
漫然とWebを見ていて、エロチック乱歩と題して、『人間椅子』(監督佐藤圭作 宮地真緒、小沢真珠、板緒創路)、『屋根裏の散歩者』(監督三原光尋 嘉門洋子、窪塚俊介)が公開になるのを発見。乱歩の映画、また久し振りだ。観に行きたいな。
ところで、「漫然とWebを見ていて」と書きながら、最近「Webサーフィン」って聞かないなと思う。最近は、そういう時なんていうんだろう。
さて、コーヒーでも飲むか。
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朝から録画したドラマ「ホテリアー」とオリジナルの韓国版「ホテリアー」を観る。日本版「ホテリアー」の放送に先立ち、韓国版「ホテリアー」をテレビ埼玉で放送していたのを録っていたのだが、面白いことに日本版より先に韓国版が始まったにもかかわらず、あとから始まった日本版「ホテリアー」が先日先に最終回を迎えた。(訂正。テレビ埼玉放送の韓国版「ホテリアー」は週に複数回放送だと思ってたけど、よく確認したら週1回だった。全20話なので、日本版より放送期間が長くなっていて、現在12話まで放送。)
その差分は今日両者を観て判ったのだが、日本版「ホテリアー」では、1話で上戸彩(役名が面倒なので役者名で書く)が韓国にいる田辺誠一を連れ帰ってきて総支配人に返り咲き、一方乗っ取りを企てる及川光博が韓国から日本にやってきてホテルで上戸彩と再会するところまで描かれる。ところが、韓国版ではそこまでに3話かかって、かつまだ3話の終わりでは及川光博(韓国版ではヨン様)と上戸彩(韓国版ではソン・ユナ)の再会はもちこされて4話で始めて実現するのだ。
日本版「ホテリアー」は、視聴率も芳しくないまま終わったみたいだけど、日本版と韓国版の面白さは1話の密度の差からしても韓国版の方がはるかにおもしろかった。それがそのまま日本版「ホテリアー」の欠点とはいわないけど。
役的には、田辺誠一は韓国版では悩みすぎるくらい悩みすぎ、上戸彩は韓国版ではかなり突っ走り系。日本版では、田辺が戻ってからの活躍はこれからなので、韓国版のように苦悩するキャラクタなのかは1話だけではちょっとわからない。上戸彩は、もともと『アテンション・プリーズ』なんかでも見せていたハチャメチャキャラクタが(たぶん)好評なのに、「ホテリアー」ではちょっと落ち着き系。韓国版のハチャメチャさからすると、上戸彩も同じくハチャメチャでいいんじゃないかと思うのだが、それは不振の原因の一つかもしれないと思う。
とりあえず、今日は日本版「ホテリアー」を1話、韓国版「ホテリアー」を3話まで観た。一気に観るぞー。実は目標は、「ホテリアー」制覇だけではなくて、6月30日に日本映画専門チャンネルで放送される「24時間まるごと植木等〜昭和の元気をありがとう〜」までに24時間DVDレコーダーの空き領域を確保するのも目的だったりする。
道のりは遠いが頑張る!
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夕方から出かけて、篠崎誠監督の新作『0093 女王陛下の草刈正雄』の試写を観る。先日、『0093 女王陛下の草刈正雄(30分版)』を地上波で深夜に放送したが、その劇場公開用の長尺版(88分?)である。感想は別エントリに。
試写のあと有志で飲みに行ったので参加する。現地で会った友人Kは帰ったので、知ってる人は篠崎だけだったが、『0093』の話はもちろん、過去の篠崎監督作品の話などでいろいろと話せたので楽しかった。二次会で『0093』の裏話や周辺の監督作品の話など話がいろいろひろがったが、個人的に一番収穫(?)だったのは、アニメ「どろろ」の話である。DVD化される前に全話一挙上映を観に行けなくてずっと残念だったと思っていたが、一挙上映は実は辛い事実があったことを知る。各話オープニングとエンディングも上映していたので、結果的にあの「ほげほげたらたらほげたらぼん」っていう主題歌をエンディングとオープニングで連続2回ずつ聴かされることになり、だんだん苦痛になっていくということだった。確かに言われてみれば当然なのだが、ビデオと違って早送りもできないし、帰り道には信号待ちをしていても「ほげたらほげたら」と頭の中を主題歌が流れていくという話には笑ってしまった。
サイトのURLをお教えした方に私信。見に来てくださってありがとうございます。公開用メールアドレスはroji-on@rojix.comです。何かありましたらご連絡いただけると嬉しいです。
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BS-i制作の篠崎誠監督の新作を試写で観る。先日、地上波で深夜に放送した『0093 女王陛下の草刈正雄(30分版)』の劇場公開用の長尺版(88分?)である。
30分版の馬鹿馬鹿しさ、脱力加減はそのままに、アクションシーンを加えた真面目な仕上がり……なのかと思ったら脱力加減はそのままに長くなっていた。ストーリーとしては、黒川芽衣扮する記者が草刈正雄がスパイであること暴こうとするのは同じだが、その他に30分版に出てきていない嶋田久作扮するIT会社社長三浦嘉門の陰謀を巡る話になっている。そのストーリーに合わせて、殺し屋に狙われているというエピソードは少し変わっているが、ローテクスローモーションを含む殺し屋との対決シーンはほぼそのまま残っている。
他の違いとしては、草刈正雄の実の娘麻有が娘役で出てきて、親娘共演の大活躍をする。冒頭の宇宙人対草刈正雄のシーンがなくなって、007シリーズのようにちょっとした事件のクライマックスのエピソードが追加されている。もちろん、ここにもギャグは満載である。
冒頭が変わって、30分版の宇宙人は出てこないのかと残念に思いながら観ていたら、中盤にパワーアップして出てきた。しかもこの宇宙人エピソードは本筋と関係ないところでいろいろ描かれていて面白い。関係ないかもしれないが、宇宙人にダメだしするっていう発想にあとから『シャドウ・オブ・バンパイア』を思い出した。
30分版と大きな違いとして、諏訪太朗の活躍も忘れられない。30分版では、一発ギャグ的なシーンで出てくるだけだが、長尺版では大きな見せ場がある。篠崎監督によれば、「タワーリングインフェルノ」のロバート・ワグナーをダブらせているとか。確かにギャグまみれなのに泣けるんだよ。
逆に残念だったのは、30分版で草刈正雄がテーマ曲を振り付きで歌うシーンがものすごく良かったのだが、長尺版では大幅になくなっていたこと。試写のあと篠崎監督にそう言ったら、貴重な振り付きの歌のシーンはどうやらDVD化のときの特典に収録されるらしい。
ラストは花火で華やかに終わるが、石井輝雄監督の『恐怖奇形人間』を思い出したので、飲み会のときに「やっぱりあそこは人間花火かなと思ってたんだけど」と言ったら、BS-i的にはちょっと問題があるのでそれは無理と笑いながら怒られた。
というわけで、見所たくさんだし公開劇場もほぼ決まりつつあるみたいなので、正式な公開を楽しみに待ちたい。
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CSのアニマックスで放送の「FREEDOM」エデン篇1話〜3話の放送を観る。いわずとしれたカップヌードルのCFと連動して制作されたアニメである。すでにDVD発売になっているのは、この放送を知ったときに初めて知ったのだが、その後よく調べたら既にDVDは3巻まで出ていた。4巻は7月27日発売予定。今後もアニマックスで放送予定らしいが、ということはまだしばらく先なのだろう。
カップヌードルのCMとタイアップしていて、現在流れているCMは3話の地球へ向かうタケルの場面というようにDVDの発売と連動しているので、CMを目にしているとなんとなく雰囲気だけは判っているかと思うが、当然1話30分のボリュームなので、CMは予告編なみでしかない。
3話までのあらすじを書いておく。23世紀、月のエデンという都市に住むタケルが主人公。人類は火星を開拓するため月面基地を作っていたが、地球に宇宙ステーションが墜落、地球は壊滅的な打撃を受け資源を争う戦争から滅亡、人の住めない場所となった。月に残された人々は開拓基地の代わりに、エデンという恒久的な都市を建設し、人類はそこで生き延びていた。だが、滅亡したはずの地球からと思われるメッセージを偶然目にしたタケルは地球を一目見ようとする。赤い死の星となったはずの地球が青く輝くことを知ったとき、エデンの運営委員会はタケルたちを拘束しようとした。そしてタケルは古いロケットでエデン運営委員会の追っ手をかわして地球へと向かう。
まず感激したのは、オープニングである。『AKIRA』の単行本の扉にコマわりされた様々な場面があったけど、あれを映像化したような映像になっている。コミック調の粗めのスクリーントーンを貼ったような、ざらざらした質感の画などをいれているのが、『AKIRA』が映像化されてるみたいでカッコイイ。バイク状の乗り物で走るシーンで、コマをはみ出して「ドドドド」とか描く大友流の擬音の文字(今はコミックでは割と普通だけど)が、画面の中にでてくる。つまり漫画調の画で動く中に、「ドドドドド」っていう擬音文字まで一緒に動いていくのがすごくいい。これ見ただけで、基本的には満足である。ただこの大友克洋の画がそのまま動くような感じは、オープニングだけの効果であるが。
オープニングは『AKIRA』的な部分に感激したのだが、本編は逆に『AKIRA』に似すぎているところが欠点という気がする。
主人公タケルは金田っぽいし、乗ってるバイク状のビーグルという乗り物も金田バイクの進化系っていう感じだし、仲間たちが暴走行為をするとか、ほとんどアキラのでてこない『AKIRA』のような世界なのだ。
アニメは3DCGを多用しているようだが、カップヌードルCM第1弾のときのタケルの顔があまりにへなちょこだったのと較べるとかなり進化している。普通のシーンではセルアニメだか3DCGだかわからないくらいで、全身の動きなどがはいるとなかなかいい感じ。ただ、表情のアップは、シンプルすぎて今ひとつなのが残念なところだが、どんどん技術は進化しているみたいで1話より3話の方がよくできていると思う。
ストーリーも1話のビーグルによるレースのシーンが、運営委員会から逃げて旧施設のロケットのある地区へ行く話への伏線になっていたりして、結構よくできてると思う。というわけで、4話以降を早く観てみたい。
大友克洋は、キャラクターデザインとメカニックデザインに名前があるけど、実質途中からは参加していないみたい。デザイン参加というより、デザインコンセプト参加という感じなのかも。
[ 「FREEDOM」エデン篇 1話〜3話 アニマックス ]
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今クールで唯一楽しみに観ていた『ライアーゲーム』の最終回の感想を書いてなかったので書く。
最終回にしてしかも3時間スペシャルということで楽しみにしていたのだが、最初の正味1時間半くらいは総集編。録画でCMを飛ばしながら観ての話なので、放送時間では2時間近く総集編だったみたいで、その辺の不満は他のブログ等でも書かれていた。総集編の合間に裏で起こっていた逸話を少しずつ挟んでいるので、飛ばすことも出来ずちょっと腹立たしい。懐かしいシーンを観る楽しみも全くないわけではないのだが、あらすじを追う方を重視しているために「ライアーゲーム」の面白さである騙しのテクニックについてはさらっと流されてしまうので、すごく消化不良な感じがするのだ。
そしてようやく辿りついた前回の続きだが、ここからはいつも通り楽しませてくれた。内容に触れずに書きようがないので、以下はネタバレありで書く。積極的な内容紹介はしないので、例によって観た人にしか意味不明な書き方になるけど。
面白かったところとして、総集編部分の挿入話から含めて、ライアーゲームの背後にいた人物が出てきて、そもそも神崎直がどういう立場でライアーゲームに参加させられたのかというのが明らかになるのが面白かった。秋山深一をライアーゲームに呼び込むために神崎直が餌となったというのが、最初の当然過ぎる予想だが、予想通り秋山の母親を死に追いやったマルチ商法の首謀者が出てきてやっぱりと思っていたら、それをもう一度覆して見せたのが面白い。
一番気になっていた密輸ゲームにどう勝ち抜くのかという点だが、神崎直のキャラでみんな仲良く引き分けにするという驚くべき戦法だった。考えてみれば、既にこの物語はゲームの勝者になっただけではハッピーエンドにはならない。敗者を含めて救われて初めて物語として完結する。すっかり忘れていたのだが、既にリストラゲームの最後に神崎直が宣言していたがみんなが相手から金を奪わなければ誰も損をしないのだ。が、新たなメンバーが加わり、それが件のマルチ商法の首謀者で、秋山との勝負になっていたわけで、忘れてなくとも平和な解決はないと思っていた。
それを覆して見せたのは見事だ。ちょっと甘すぎる結末という気はするが、こういうのもありかなと思わせる。
でもヨコヤが最後に下す決断は、実はそんなにリスクが高くないと思う。5千万負債が増えるだけで、しかも引き分けにもっていかなければメンバー全員は救われないわけだし、ここは損得を考えたらむしろ選んだ選択が一番得であると思う。。チャンスを与えた秋山だって同じことで、二人とも本心から許すことが出来たのか、謝罪する気持ちになったのかというとそんなことはないように思う。だからあまーい気がしちゃうのかもしれない。
むしろ、その前のキノコ頭のフクナガが、敗者復活戦での神崎直の行動に裏切りをさらに裏切るという行為の方が納得できる。あまいけど、いい話になっている。
じゃあどう終わればよかったのかというと、ゲームの勝敗なども含めては思いついていないが、やはりヨコヤが信じれば救われるのに、信じることが出来ずに最悪の事態例えば二十数億の借金をもって負けることになるとか、そういう結果の方がよかったと思う。ドラマでの結末でもいいのだが、その場合のリスクが二十数億あれば彼の決断にも重みが出るが、高々五千万のリスクじゃねぇ。
不満ばかり書いているようだけど、まあ面白かったことは確かである。原作がどうなっているのか、ちょっと気になるところ。
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僕は見ていないけど、めざましテレビで、草刈正雄が親娘共演ということで、『0093 女王陛下の草刈正雄』が紹介されていたとか。
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韓国版「ホテリアー」8話から11話まで。日本のリメイク版「ホテリアー」も3話を見る。だいたい、ストーリーを同じペースにしようとしているのだが、韓国版が半分を超えるくらいの部分がなんと日本版では約3話に集約されていることになる。日本版は、後半じっくりということか。
読書もするが、あまり進まず。
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ちょっと停滞気味で書くことなし。読書はいまだ『中庭の出来事』(恩田陸)を読み終えることが出来ない。映画も観に行っていない。テレビは、韓国版「ホテリアー」12話を見る。
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3年ぶりくらいに会う友人と飲む。かつての仕事仲間で、自分をいれて4人で飲んだのだが、珍しく悪酔い。途中トイレで酔いを醒ます。家に帰って、水をたくさん飲んで、何もしないで寝る。楽しかったので知らず知らずに飲み過ぎた模様。
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相変わらず、『中庭の出来事』(恩田陸 新潮社)を読んでいる。つまらなくはない。傑作だと思う『チョコレートコスモス』(恩田陸 毎日新聞社)を思い出す女優たちの世界を、『夏の名残りの薔薇』(恩田陸 文藝春秋)の「変奏曲」をさらに大胆に押し進めた面白い趣向なのだが。
一気に読み進めてしまうべきだったのかもしれない。元々僕自身は短編小説が苦手で、ひとつの短編を読み終えるとまた次の短編を読むのに時間がかかる。それはその世界に入り込むことが必要になるではないかと思っているのだが、この『中庭の出来事』も、短編小説ではないし、連作短編というわけでもないのだが、繰り返される似たような話に、短編小説を読むような感じがする。
巻末の初出を見ると、「新潮ケータイ文庫」とあって、想像だが一回の配信である程度の独立性をもつように書かれたのではないかと考えるとそれも納得行く話である。
残り100ページくらい。今日中には読み終えたいところ。
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30分くらいボーっとして、朝風呂に入ってようやく人間に戻れた気分。朝食をとって、DVDレコーダーの空き状況を確認。
明日の「24時間まるごと植木等」にあわせてDVDレコーダーのハードディスクを空きを作っていたが、ようやっと12時間ほど領域確保。まだ足りない。
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映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のテーマ・ソングが宇多田ヒカルの新曲「Beautiful World」に決まったらしい(ニュースソースCDジャーナル)。カップリングの「Kiss & Cry」は「FREEDOM」のテーマソング。
ヱヴァのテーマを宇多田ヒカルってどうなんだろう。自分は宇多田の曲を好きだからいいのだけど、最初にこの記事を見たときの印象はなんだか違うような気がしたので。
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成城石井に寄ると、一耕があるのでまた二本買う。ギネスの缶もみつけて、4缶ほど購入。
家に帰って、出羽燦々誕生記念を飲む。二合のつもりが、さらりと飲めてしまうのでついつい飲んでしまって四合瓶一本飲んでしまう。
ホテリアーの韓国版、日本版それぞれ1話ずつ見て、ディスク整理。ようやく、明日の「24時間まるごと植木等」分の領域を確保する。
植木等の映画でもう一度見たいとおもっているものとして、北杜夫の『怪盗ジバコ』の映画版がある。北杜夫の『怪盗ジバコ』は当時大好きだったのだが、それの映画化をテレビで放送していたことがあって観たことがある。でももはやほとんど忘れていて、覚えているのは建設中のビルの中で、怪盗ジバコ(植木等)が刑事(ハナ肇だったような気がするかものすごく自信ない)に捕まって、顔から変装を剥ぎ取られるのだが、剥ぎ取られた下から出てきたのはまた植木等の顔だったり、ハナ肇の顔が出てきたりして、何度も何度も顔をはがすというもの。その間、植木等はずっと笑いまくっている。
という、記憶が残っているのだが、もしかしたら記憶変容で実際は全然違うのかもしれない。
でも、その『怪盗ジバコ』が観たいなぁ。
追記。amazonを検索してみたら、8/10にDVD発売だ。パッケージの写真もあったのであわせてアップ。
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めざましより早く、5時半頃に目を覚ます。昨日早く寝たからか自然に眼が覚めた。で、6時から「24時間まるごと植木等」をリアルタイムで観始める。
まずは『大冒険』。ニセ札を巡る陰謀から始まって、最後はミサイル攻撃まで発展する無茶苦茶振りで面白かった。しかしやはり睡眠時間が足りないみたいで、見終わる頃には眠くなる。なので昼寝。
昼に目を覚まして、録画した分をDVDに焼く。24時間まるごとだと、一本の映画から次の映画まで10分くらいしか余裕がない。その時間で前後のCMをカットして焼かなければならないので慌ただしい。しかも『クレージー黄金作戦』などは2時間を超えているので、後回し。
昼食を摂り、再びリアルタイムで観ようかと思うが、『中庭の出来事』(恩田陸 新潮社)が気になり、先に読み終えて感想を書く。というわけで、「24時間まるごと植木等」はまるごと録画に変わる。リアルタイムで観ないと、DVDが溜まっていくという懸念はあるのだが。
午前中仮眠をとったのに、昼食時にギネスを飲んだからか、またまた睡魔が訪れてちょっと昼寝。
夕方、17時からの『日本一の色男』は、「電脳コイル」の放送と重なってしまうため録画を諦める。別の日の放送で録画予定。録画の狭間のうちにと、そこまで録った分をDVDに焼く。土日は18時で図書館が閉館するので、予約本を受け取りにちょっと図書館へ。
帰ってきて18時半からは「電脳コイル」をリアルタイム鑑賞。「電脳コイル」いいね、やっぱり面白いね。
夕食後、「ホテリアー」日本版を1話だけ見る。韓国版と同時期に見てしまったので、単独で見ると面白いのかどうか判断が付かない。韓国版とどうしても較べてしまうから。韓国版と較べてしまうと、韓国版の方が圧倒的に面白い。でも早送りせずに等速で見られているので、悪くないんじゃないかとも思う。
2話分見てしまおうと思っていたのだが、途中でインターネットで調べものなどして中断したので、結局1話だけしか見なかった。
23時すぎに、「ライアーゲーム」のあと番組の「ライフ」の初回だと思いだし、「ライフ」を見る。主演の北乃きいが、サイトの写真などを見ると雰囲気が違いすぎて全然わからなかったのだが、ドラマでみてようやくわかった。
ビートを効かせたテンポのいい音楽が、「ライアーゲーム」そのままという感じがして、かつタイトルの映像も雰囲気的に似ている。明らかに「ライアーゲーム」を意識していて、二匹目のドジョウ狙いという気がしたのだが、ドラマ自体の質は高い。変に「ライアーゲーム」を意識しない方がいいのに。ドラマの質が高いと思ったのは、台詞だけでなくて視線や表情での感情表現が目立ったから。北乃きいはなかなかいい。
夜はその後、「必殺仕事人2007」の特番を録画。15年ぶりに復活するという「必殺仕事人」の2時間ドラマの予告と過去の名作を放送。予告だけ観る。
そうこうしているうちに4時。ほとんど一日テレビづくしの一日だった。そして、今年も半分終わったのだった。
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一人の女が小さな古いホテルの中庭にあるカフェレストランへと向かう。待ち受けていたサングラスの女に、少し前に同じ中庭で起きた出来事について話し始める。その中庭の出来事とは、ある脚本家の死であり、女が語るのはその事件の真相である。すなわち、脚本家を殺したのはサングラスの女だったという告発である。その告発に動揺したかのようなそぶりを見せたサングラスの女は、そのまま崩れるように倒れると、死んでしまうのだった。
二章では自然の中を歩く二人の男、ここでも別の中庭の話が語られる。高層ビルの低層階にある商店街に囲まれた、噴水のある中庭になっている。この中庭で一人の女性が死ぬ。その死の直前を見ていた人々は、一人は彼女は笑っていたといい、一人は泣いていたといい、一人は怒っていたという。そしてその直後、彼女は死んでいた。
冒頭は、「中庭の出来事」であることを除けば相互には関係しない二つの話が語られる。ここまでは普通に物語が進むのだが、そのあと大胆な趣向が凝らされる。
三章では一章と同じカフェレストランの話が、繰り返される。一章では存在しなかった人物たちの名前に固有名詞が割り当てられており、出来事のほとんどは同じなのだが、微妙な違いが含まれている。続く四章は二章のビルの狭間の中庭での出来事の別の語り。
五章では『中庭の出来事』というタイトルのつけられた女優三人と男一人が登場人物となっている、脚本形式。そこで3人の女優は一つの事件についてほぼ似たような主張を繰り返す。男は刑事であり、女優三人は事件に関する証言をしているようである。
以降、カフェレストランの出来事、ビルの谷間の噴水での出来事、脚本形式での男と女優の会話が交互に繰り返されていく。大胆な趣向というのは、『夏の名残りの薔薇』(恩田陸 文藝春秋)で、章ごとに語られる事件が少しずつずれていく「変奏曲」にも似ているのだが、さらに大胆に押し進めたという感じである。
起こった出来事は一つであるはずなのに、何度も似たような違う話が繰り返されるのだ。
最後、結末の一章でこのいくつかの話がすべて繋がる。繋がった話を時系列に語られると、意外なくらい単純でどこがそんなに複雑だったのかわからないくらいである。騙し絵の中に隠された絵が見えた瞬間のような爽快さがある。絵が見えてしまうと、今まで見えなかったのが不思議なくらいくっきりと見えてしまい、浮かび上がった絵を見ないようにすることは二度とできなくなる。
今回読み終えるのに丸十日もかかったが、自分の精神状態、体調、諸般の事情がその理由の一番だが、『中庭の出来事』の作風によるところも多いと思う。短編小説ではないし、連作短編というわけでもないのだが、繰り返される似たような話に、短編小説を読むような感じがしていた。元々僕自身は短編小説集は早く読めないたちで、一編を読み終えると次の一編の世界に入り込むのに時間がかかってしまうのだ。
この作風は初出時の連載の形態によるのではないかと思う。巻末の初出に「新潮ケータイ文庫」とあって、ケータイへの配信による連載という形態をとっていたようだ。想像だが一回の配信である程度の独立性をもつように書かれたのが、この作風に影響しているのだと思っている。
[ 『中庭の出来事』 恩田陸 新潮社 ]
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クレージー・キャッツ結成10周年記念として製作された映画である。植木等はお調子者の新聞記者、アパートの隣の部屋に住む友人の谷啓は発明好きで、いつも何か発明している。植木は谷啓の妹の団令子に惚れていて、彼女のあとをつけ回しているが、団令子が件のニセ札事件に巻き込まれていく。一方、ハナ肇らはニセ札事件を調べる刑事で、ひょんなことから植木等をニセ札の犯人だと思いこみ…と、荒唐無稽なギャグ満載に始まるのだが、特撮ありのアクションも加わる。特技監督として円谷英二の名前がある。
谷啓の珍発明が秘密兵器的だし、国際的組織によるニセ札事件とか、ルパン三世に通じるものがある。でも見ていて思ったのは、ルパン三世に似ているというより、つまり時代なのだなと思った。ルパン三世の方がさらに時代はあとだけれど、こういう物語が成立する時代だったのだと思う。
ニセ札事件は、植木等の雑誌記事により世間の知るところとなり、陰謀団は日本での活動を撤退することにする。日本支部の責任者は責任を追及されることを恐れ、失敗の弁明のために事情を知る団令子を誘拐する。団令子の居場所を方角と距離を知ることが出来る谷啓の珍発明を使って、植木等と谷啓は団令子のあとを追うが、植木等もまたニセ札事件を失敗させた張本人ということで陰謀団から命を狙われていた。
この植木等が命を狙われ、ビルから落ちそうになったり、鉄橋から落ちる場面などを見ていると、今度は「未来少年コナン」を思い出した。
陰謀団を追ってアジトになってる神戸の倉庫に辿りつくが、その地下から潜水艦が出てくるという破天荒さ。陰謀団は潜水艦で日本脱出を図ろうというのだ。連中に紛れて潜水艦に乗り込み、秘密基地となった島にたどり着いてみれば、そこにいたのはなんとヒットラー。「やっぱり生きていたのか」って!
最後は日本からやってきた軍艦から島に総攻撃、秘密基地の方は世界に標準を向けたミサイルを設置していて発射という、なんとも無茶苦茶な展開で終わる。なんとも観ている間にどんどんスケールアップしていく展開が面白かった。
そこまで派手に盛り上げても、最後のシーンはクレージーキャッツの歌で終わるのだった。なんともすごい映画だ。
[ 『大冒険』 監督古沢憲吾 出演植木等、ハナ肇、谷啓、団令子、越路吹雪 日本映画専門チャンネル ]
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映画
『300』
『0093 女王陛下の草刈正雄』(試写)
「FREEDOM」エデン篇 1話〜3話(OVA)
『大冒険』
読書
『星新一 一〇〇一話をつくった人』(最相 葉月 新潮社)
『ゆれる』(西川美和 ポプラ社)
『ブロークン・エンジェル』(リチャード・モーガン アスペクト)
『中庭の出来事』(恩田陸 新潮社)
テレビ
「ライアーゲーム」最終回3時間スペシャル
ライヴ
「ピアノノチカラうたのちから」@月見ル君想フ (早川義夫、未映子、鈴木亜紀)
今月前半は仕事が忙しかったとはいえ、あまりに貧弱一ヶ月の総括。6月が終わって、ついに今年も半分が終わってしまったというのに。
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